『監獄の誕生―監視と処罰』 ミシェル・フーコー  田村俶訳

難しそうなやつ! 大学のときサボって読まなかった本で、でも、今読まないと一生読まない気がするし…。読んだらすごく面白かったです。 人間を計量する歴史。時間を、能力を。それは教育だし、テストの発明だし。罰を与えることができる対象に狂人がいないっていうのは、計量可能な生産性にこそ罰が与えられるってこと。

肉体を痛めつけなくても監獄へ収監する年月が罰になるんだし、監獄が人間の肉体の改造にとどまらず改造するのは精神だってことになって、つまり精神や自我の発見された時代だっていう。学問する分には別にテストとか必要なわけじゃないんだよな。わかったとかわからないとか測らなくていい。でも、教育っていう制度になったときに人間が十分に変化したことを計量するためのテストが発明されるんだし、法律ってものが違反の発見でありあらかじめ失敗の組み込まれた装置であるとか、なんかぶわーっとつながってて面白かったです。

 

つまり読み終わった後は、グチャーっとなってしまって、なんかすごかったという読書体験の感想しか残ってないのでした。やっぱね、学生時代に読むって大事なんですね。