『おれに関する噂』筒井康隆

以外と読んだことない筒井先生。
飛躍っぷり、槍を投げたと思わせつつ超コントロールなお話はどれも大層面白かったです。素直に好きって言うと負けた気がするくらい、おもしろーい。
ところで、北杜夫の『へそのない本』が机の下で消しゴムカスにまみれてたので、久しぶりに読んだんですが、投槍だとは思ってるけどカッコのついてるように努力は放棄してない、そこはプライドだけで持ちこたえてるような軽い味わいのオチもあったりして、ぷーっと吹いてました。そういや、昔読んだのは多分小学生の時で、そんなことは考えもしなくて、ただ読んでただけなんだなぁ。しかし、久々に読んだら、はっきりと、暗かったです。暗い(:寂しい:悲しい:孤独)とか感情の属性がはっきりとついて、甘美な古い暗さ。いくら明るくしてても、信じられねー。暗い。また、好きになりそうです。