2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』フレッド・ピアス 藤井留美訳

新しい科学。今の小学生とかこういうの習うようになるんかな。 自分が受けてきた教育とか価値観が、ひっくり返る。思い込みのいい加減さを既存資料の精査で地道につぶしていく方法で見た新しい世界の見方。 ちょっと雑でふかし気味のライター本で、専門書で…

コナン・ザ・グレート

剣と腕力と物理と少々魔法のファンタジー王道の大作映画。1982年なんでシュワちゃんが若い。はちきれんばかりのデカイ強い男が画面いっぱいに映ってるだけで満足感があって、なんだかものすごく面白かったです。 ダークに攻めてる表現は今だとPG17かそれ以上…

[映画]ザスーラ

すごろくで出たマスに書いてあることが本当になっちゃうジュマンジの亜流かな〜と思ってたんですが、予想以上に深みにハマって面白かったです。児童文学寄りの良質さ。低予算映画ではなく、画質のかんじとかボロボロのボードゲームそのままのレトロフューチ…

[映画]ウォーターホース

むしょうにかわいい生き物が見たくなって。絶対かわいいやつだこれ。 ネス湖のようなケルトの水竜の伝説ある湖のほとりで、WW2出征中の父を待つ少年、姉、母、スパイ?脱走兵?の謎の男、それを怪しむ駐屯の大尉、湖から迫りくるドイツ潜水艦の脅威…児童文学…

アルゴ探検隊の大冒険

名作枠。特撮の神。見たことなかったので。 昔の人間が演じている絵面が、もう昔昔の物語感があって、録音がつぶれた壮大なオーケストラに、カラーフィルム映画ってかんじの明るい画面で、昔の物語を昔の映画で見るっていう現代に許された楽しみ。古典を古語…

『おおきなとりにさらわれないように』川上弘美

SF。文芸書枠ですけどSFです。ゆるふわポスアカ。 滅亡を語る柔らかな口語の連作短編。やっぱ新井素子を連想しちゃうけど、熱は無い。ディティールを詰めない寓話の手触りもあって、壮大な概念を投げかけるジュブナイルっぽくもある。AIにRNAウイルス転写に…

『死すべき定め――死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ 原井 宏明訳

人間はいつか死ぬ。 その「いつ」が迫ることに気が付く瞬間から、ほんとに死んじゃうまで時間があるわけで、でもその間なにやってても、絶対に結末からは逃れられない。 生まれたての赤ちゃんと同じように、生きているために他人の助けが必要な期間っていう…

弱いロボット 2

足元もおぼつかないロボットがよろよろ泥仕合するナイスコンセプトのヘボコン見た後に、嗜虐からたまに検索してしまう弱いロボット。 “桜の咲く公園でひとりのおばあちゃんがぽつんと立っていたのです。そして、小さなぬいぐるみのロボットを抱っこしながら…

ブラックホーク・ダウン

超超豪華な戦争映画。2時間ずっと戦争やってる。ひたすら苦しいことばっかり。一つの作戦の始まりと終わりまで。 小さなトラブルですぐ人が死ぬ、トラブル続きに戦力の逐次投入するぐだぐだで、ズルズルと長引き夜間になり弾薬も尽き… まさかの米軍ヘリが地…

あなどれないバーゲン本の絵本

はいはい楽天ブックスのお世話になってる人ですよ。なんでか楽天利用してるって言うのは気が引けて、セコさアピールしてるみたいでなんとも尼の100倍罪深い気がするなんでじゃ。血がドバドバ出る家に置いとけない漫画は電子書籍のkoboにお世話になっておりま…

『プレイヤー・ピアノ』カート・ヴォネガット

これはいま現実の状況を書いた本ではなく、これから起こるかもしれない状況を書いた本である。登場人物のモデルは、まだ生まれていない人びと、あるいはおそらく、これを書いている現在、まだ赤ん坊である人びとに仰いだ。まえがきから 50年前に想像されたデ…

『もりのこびとたち』 〜モンスターハンター〜

よさそな本だな買おうかな〜と思って、ペラペラめくってたら決め手になった一枚。北欧戦士の容赦なき完全武装がアツイ。聖ジョージの構図だとか、いろいろ意図ありそうだけどそんなことより、このプリミティブな野蛮の絵面が好ましい。 で、その後 ハリネズ…

『イラクサ』アリス・マンロー 小竹 由美子 訳

カナダの作家2連続体験はレアだなあ。以前読んだ『善き女の愛』が、あんまりにも巧かったんでとっておき。とっておきも2連続。好きな物は先に食べる派。初見違わず超巧いんだけど、読者の経験をすくい上げてのめり込ませるテクニックじゃなくて、少し遠い世…

『灰色の輝ける贈り物』アリステア・マクラウド 中野 恵津子訳

2002年の本なので今の時代に生きる人が書いた本。名作名作名作と名高い上に、キャプションがすげー好みっぽいのでとっておきました。とっておき。カナダの寒い寒い島で生きる一族たちの話。たち。南米文学だともっとこう呪いと祝福のダイナミック滅亡!って…

『どろんこハリー』の謎 〜物体Xと風呂2階問題とバナナ〜

警視庁昭島署に眠る謎の金属球体「X」 不発弾、毒ガス、ランタン? 正解は… http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170207-00000520-san-soci この物体Xってか爆弾みたいなやつは「smudge pot」っていう物ではないでしょうか。 米グーグルにたくさんそれっぽ…

魔界転生

1981年版。ムチャクチャだ。グウの音も出ないほど面白かったです。脈絡なく面白いこと詰まりすぎてて危険過ぎる。惜しみない生首と血糊だし、一揆シーンで16ビート乱れ打ちとか、唐突なオッパイとか、ホモとか火炎とかすごい。というか、柳生一族が強過ぎて…

『チェルノブイリの祈り』スベトラーナ・アレクシエービッチ 松本 妙子訳

図書館予約待ちだったのがまさかの2連続で届いてしまった超重いルポ。インターバルないときつい。チェルノブイリ原発の事故処理した人、住人、役人、えらい役人、物理学者、カメラマン、記者、先生、子ども、母親、父親、様々な人へ事故10年後インタビュー…

『パパは楽しい躁鬱病』北 杜夫, 斎藤 由香

薄いのでサクっと。躁鬱病の作家として有名な北杜夫と娘の対談。晩年だし和やかに編集されてますが、実態は想像がつくだけにちょくちょく嫌な気分はありました。躁鬱病の普遍性に諦念。この躁状態の明るい軽薄で大威張りキチガイ無罪のかんじよっくわかるう…

『ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係』吉田 重人, 岡ノ谷 一夫

「ふとん係」なんて表題に入ってるのがずるいよな。正月の元気が完全になくなってきた1月朝には特にこの世で一番いい身分のような気がしてくるもん。 哺乳類でも真社会性ってできる〜ヤッター何にも悩まずに働いて死にたい〜 と思ったけど、やっぱり哺乳類な…