2007-01-01から1年間の記事一覧

『白い牙』ジャック・ロンドン

名作動物文学週間第二弾。不幸な生い立ちだった、1900年代のベストセラー作家で、荒れ狂って40で死んだそうです。偉大なるワンは消えていく誇り高い社会への惜別でした。こちらも著者を仮託している部分がピュアに表現されてました。4分の一イヌの血のひいた…

『偉大なる王(ワン)』バイコフ

なんだか野生がの血が騒ぐので、名作動物文学週間。1900年代初頭満州のエキゾチシズム満開をロシア将校が書いてるので、時々なんとなーく間違ってる気もしなくもないんだけど、とてもロマンチックでした。 大自然の「王」として宿命付けられた虎と、先住の韓…

『銀河英雄伝説』田中芳樹

今年中にやってしまうことの一つが終わりました。10冊あったけど、あっという間に読了。改行が多いわけじゃないのに、途中にワープゾーンでもあったんじゃないのってくらい、アッという間に読み終わるこの対費用効果のなさ。あんまりにも、おもしろいんだー…

『ラピスラズリ』 山尾悠子

幻想文学、ほんまもんの幻想文学じゃぁぁーとウットリ浸れる本でした。視界30センチくらいの濃霧の中で錯綜できる、この密度。それぞれ違う話なのに、一冊の中で不可思議に絡み合っていて、短編集という体裁にもたっぷり浸れました。よい本でした。 幻想なん…

『ムジカ・マキーナ』高野 史緒

音楽SF。革命吹き荒れる欧州の、ウィーンで音楽が快感になる麻薬が流行って阿鼻叫喚。 ああ、SF。わりと衒学的でスカスカな気がするんですが、馴染みのない音楽用語がたっぷり使われているので、ごまかされてしまって楽しめました。確かに、これは、音楽エン…

『レディホーク』ジョーン・D・ヴィンジ/野田昌弘訳

これもー時代を感じました。悪い意味で。なんか適当です。 映画はB級で好きでした。ドラゴンハートのノベライズはよかったなぁ。そんなもんです。 なんだか今日はドラゴンハートづいてる日でした。久しぶりにDVD見ようかな。

『記憶の書』ジェフリー・フォード

シリーズ1冊目の『白い果実』がすばらしいです。素晴らしすぎた。これはハリウッド映画の二作目みたいなことに。例えばドラゴン・ハートの続編みたいなことに。(1はとてもすごいCG声優がショーンコネリーとか。続編はテレビ映画?になっちゃったしょぼし…

1750字/1時間

これが・・・今の私の限界だッ 小説とかじゃなくて、文章気にしなくていい評論スタイルで、書くこと決まってて、資料用意済みで、このスピード。1時間に4枚・・・1万文字くらい、4時間で1万文字余裕かと思ってましたが、明らかに、あと2000文字足りないまま…

『戦後少女マンガ史』米沢 嘉博

厚いんで、大変だーと思ってたんですが、すごく面白くてあっという間に読み終わりました。これが、評論か。圧倒的な資料の物量と、考察の的確さ。いろんなことに言及してるのに、ダベリが少なくてすごい。だからこのサイズで収まってるんですね。 少女マンガ…

合唱の流浪の民

流浪の民を何年かぶりに聞いたら、歌詞の文語がすんなり理解できて、びっくりしました。 うわー変な言葉なのに、わかるよー。ホンヤクコンニャク食べたみたい。 歌う機会なかったんですが、やっぱいい歌ですね。 動画投稿サイトって、すげーです。時間の概念…

 『結晶世界』J・G・バラード

「ほとんど純文学」という評判。 らい病院に勤める主人公が、ある理由で病院を去った女医を追い僻地へ。現地では何故か厳戒態勢がしかれていて、植物の伝染病とも、物理学者が調査に来ているとも・・・。 らい病者特有の外見に表れる症状と、美しく結晶化し…

『琥珀のひとみ』ジョーン・D・ヴィンジ

表題の「琥珀のひとみ」は1974年のヒューゴー短編賞。 短編集です。どれも全く違うアイデアなのに、繊細な感情に満ちていて、気まずいオチになる雰囲気がよく似てます。ハッピーエンドという言葉の空しさを噛み締める終りばかりさー切ない切ないという感想ば…

最近の携帯ってすごい

携帯で聞く音楽といったら着メロみたいな音をイメージしてましたが、今の携帯ってパソコンから曲転送してMP3プレイヤーみたいに使えるものなんですね。 億劫で転送諸々の設定をしていませんでしたが、休日半日つかってやってみたら想像してたより音質がとて…

ショーン・オブ・ザ・デッド★ビデオ会行き決定

ゾンビ映画のパロディ。が、だが、イギリス人なんだ!イギリス!失業してたり、茶飲んだり、パブ大好きで彼女にふられそうなイギリス市民なんだ!笑うぞーって意気込んでて、いつかレンタルしようと思い詰めた末で期待ふくらみすぎでしたが、期待以上でした…

『雪の女王』ジョーン・D・ヴィンジ

SF大会で見たマイケル・ウィランの表紙が超美しいイラストで、中身も読みたくなりました。20年前くらいのヒューゴー賞とった、アンデルセン童話をモチーフにしたSF「雪の女王」。The Snow Queen作者: Joan D. Vinge出版社/メーカー: Grand Central Publishin…

シルバー仮面

森鴎外がアクション!森鴎外が最強!森鴎外カッコイイ! が見所。シルバー仮面という昔の特撮のリメイク。舞台は大正、森鴎外と舞姫エリスの娘が、超自然パウアーのヴァルキューレの銀色甲冑に身を包んで世界を守り、帝国軍人との淡いロマンスに、カリガリ博…

パフューム

たーしか、ちょっと前に翻訳が出てて、アラスジが面白そうだったけど、読んでなかったのでお手軽に映画で済まそうと思いました。あとちょっとエロそうだった。だがっ、しかしっ、とても愉快な気分になってしまいました。笑ってるどころじゃない話なんだけど…

ハドソンホーク

きっと、ブルースブラザーズとか、スティングとか様式美極まった凝ったシナリオの、お約束満載の映画らしい映画をやりたかったんだろーなーと。きっと作った人は、なんでダメになったのか意味不明だと思います。観てるほうも何がダメなのか、ダメ過ぎて原因…

『白い果実』ジェフリー・フォード

2年前くらい前にコレ面白かったよーと教えてくれたのと、半年くらい前に山尾悠子がキてるよーと、別の2人から教えてくれたので、読みました。結構覚えてるもんです。悪意によって、人間を人格や精神と肉体の面からも、徹底的に物質化していく様がもうね、き…

パソコンこわれましたです。

『夕凪の街桜の国』こうの史代

ヒロシマのマンガ。題材も題材で大変なものだけど、その扱いに、ものすごく真っ当に取り組んでて、商売っ気とかウケ狙うとか、そういうのは全然ないです。作品として、純度が高い。 2回読んで、初めてよくわかるような、密度のある一冊。そう、一冊、かなり…

『壁男』諸星大二郎

「壁男」が現代モノで、「夢の木の下で」がファンタジー。面白い。おもしろすぎる。たむらしげるのほのぼの不思議旅とか、安部公房とかいろんなこと思い出しながら読んでましたが、面白くて面白くて。ひねくれた私にも超面白い話+しかもサクサク読めるマン…

PR誌『ASPECT』

帰りに読むものを本屋で探しても、なんか買いたい本がなかったので、ユルそ〜なアオリの無料配布マガジンを手にとったらば、なんか凄かったです。 前半は、主に下半身方面と胃袋と小脳に堕落しきった記事ばかり、しかし、後半はとにかく固有名詞がよくわかん…

PRESS START 2007 ゲーム音楽コンサート

行ってきたので感想をば。リストは 1・『大乱闘スマッシュブラザーズX』よりメインテーマ まだ発売されてないよ! 2・『ロコロコ』よりロコロコのうた 男女の合唱。元が子どもの歌なので面白いことに 3・アクトレイザー メインテーマと捧げモノのみ。フ…

『妖怪ハンター』『孔子暗黒伝』諸星大二郎

祝☆初体験の諸星大二郎名前だけは聞いたことあっても、敷居高そうで読んでませんでした。 なんつか、呪★初体験の諸星大二郎でした。こぇぇぇ。深夜に一人で風呂に入りたくなくなるくらいこえぇぇー 畏怖に近い怖さがあります。こえぇぇぇー

『自動車絶望工場』『自動車王国の暗闇』鎌田慧

残業多くなるときを見計らって、読みたいリストをストックしてあるこの手の本。マゾいのか、性格が悪いのか。次は何にしよう。末端にものすごい負担が行く構造で、トヨタが儲けまくる話。あと、ベルトコンベアの労働では、人間が機械より安い消耗品として扱…

『スローターハウス5』ヴォネガット

ばかばかしい、本当にばかばかしい設定だけれども、その軽々としたばかばかしさだから、こんなに短くても、こんなに辛い重い話を語れるんだろうなーと思います。設定って超すげぇ。戦争状態についての、たくさんの示唆。コツンコツン、一個ずつパズルを埋め…

『白痴』ドストエフスキー

いつから読んでたのか・・・途中、間一週間あけたら、登場人物の名前がサッパリわからなくなっていたりしました。ロシア人名前難しいデース。キャラが超立ってて、言うことがいちいちものすごく面白かったです。打ち切りマンガみたいな物凄いオチとかも、フ…

第65回世界SF大会/第46回日本SF大会 Nippon2007に行ってきました

9月1日に行ってきました。日本のSF大会は、毎年どこかで知らないうちに知らないところで、知ってても参加するかどうか迷ってるうちに行われているようですが、今年はなんといっても世界大会だぜヒャッハー(北斗の拳の雑魚みたいな声で) ハッハー アジア…

ワンピース・オマツリ男爵と秘密の島

あははははは、はははははははは はははははh、 こえーよ、きもいよ、くろいよ、くろいよ、こえーよ(逃げた)もう、キワモノ過ぎて笑うしかない、デジモン映画が面白かったので調子にのって借りてみた、細田監督劇場版ワンピースでした。誰だこんな明るい…