2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『医師は最善を尽くしているか-医療現場の常識を変えた11のエピソード』 アトゥール・ガワンデ

著者は医者。超正直なエッセイ兼ドキュメンタリー。良質なドキュメンタリーパートのテーマが非常に興味深いことと、自分の医者人生かけてるエモーショナルに加えて、さすがニューヨーカー連載の読み物スキルで、とてもいい本。この手の本、書いてある事実よ…

『創生の島』

ネタバレ厳禁。哲学問答エンタメみたいなYA。昔読んでたYAの手触りそのままのなつかしいかんじもする、よいYAでした。 YAで類書も読んだなあって、思いつくけど書名挙げること自体がネタバレになってしまう。 YAって、テーマになるのは普遍や本質みたいにま…

VR

今、きっと転換点にいて、この考えも明日には変わってしまうかもしれないので記録しておきます。 今春にVR展に行って、スマホを通した現実の風景の中にポケモンがいるデモを見ました。見た瞬間、この現実への浸食に拒否反応がありました。ゲームがメタいのは…

『お嬢さん、空を飛ぶ 草創期の飛行機を巡る物語』松村 由利子

与謝野晶子の評論のタイトルにあった「ス穣」とは誰なのか調べるうちに、1916アメリカから女飛行士キャサリン・スティンソンが来日、大正モダンな少女たちが彼女に送ったファンレターをアメリカの図書館で発掘し〜という冒頭から、黎明期の飛行機への情熱を…

『ピダハン』ダニエル・L・エヴェレット

「この人たちと天国に行くのだ」という、超志の高い伝道者が言語調査も含めてアマゾンの部族と生活を共にするうちに、その文化を理解して自分を顧みて無神論者になるまで。未開部族の言語で聖書を作って布教する団体で派遣されてきて、聖書翻訳するんだけど…

『眠っているとき脳ではすごいことが起きている』

薄いし易しい本なんだけどもなぜかこれ読んでると異常に眠くなって、全然読み進められなかった本。もしかしてつまらな(略 シナプスとか小学生の国語の時間で読んだ話以来だよ〜程度の知識が更新できました。なんかいろいろな化学物質で脳は動いてるぞ!とい…

帝都物語

以前、実相時昭雄展に行ったとき見たかったけど近所のレンタルにはなくてそのままになってましたが、なんとアマゾンプライムで配信。ヤッター。 ものすんごいリッチな映画でした。小さいころに見た映画、特に80年代のスペクタクルな邦画って何がなんだかわけ…

『地獄は克服できる』著 ヘルマン・ヘッセ

すごいタイトルだ。底本ヘッセ全集から、人生について鬱々した日常を打開したいよエッセイを編集した本。 どう見ても基本的に絶望してる上での文章なので、息苦しさMAX。苦しいとか暗いとかいう単語がものすごく多い文章で、軽やかさのかけらも無い詩どもよ…

『メモリアル病院の5日間』

読んだことないタイプのドキュメンタリー。すごかった。告発の書でもなく、啓蒙の書でもなく、感情的なストーリーでもない。記録を読ませるためのストーリーであり、結論を急がない。日本のルポだと古来から結構感情的なんで、次世代のドキュメンタリーだな…

『世にも奇妙な人体実験の歴史』

学問のため、人類の進歩のため、そして国の勝利のためには、個人の命を捨てる気概のマッド感漂うサイエンティストの実験の歴史。実験対象は患者だったり、囚人とか孤児みつくろうとか、その時代その人の倫理観によって人体実験対象者はいろいろで、最も倫理…

『闇の女王に捧げる歌』ローズマリー・サトクリフ

歴史もの児童文学。児童文学久しぶりに読みました。児童文学は、読者に伝えることに文章すべての技量を要求されるんだなと思います。読者は、作者の都合を考えないで済む安心感ある。 児童文学は暗い…底抜けに暗い…。最近無味乾燥気味のドキュメンタリー選ん…

『対馬丸』大城 立裕,嘉陽 安男,船越 義彰 絵:長 新太

除籍資料だったのでもらってきて読みました。史実と異なるとこもあるそうだけど、詳細なドキュメンタリー。児童書で小学校高学年くらい向けかな、でも大人が背景知った上で読んでも、結構な情報量の本でした。戦争はピンポイントの事件じゃなくて、連続する…