2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『中動態の世界 意志と責任の考古学』國分功一郎

「シリーズケアをひらく」のレーベル・・・ちくまorみすず書房or岩波新書で見るかんじの本。同じシリーズの六車由美さんの民俗学の本は、著者が民俗学者→現在介護職だから、介護職実録になってて、例えば利用者への声かけにトイレと言わずにその地方の方言のト…

『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』ジェフリー・ブラウン  富永晶子訳

今読むと面白いんじゃないかと思って買ったらさ…狙い通りでくやしいけどおもしろい・・・ リアル4才児かわいいし、不器用なパパもダースベイダーだからだから。育児漫画あるあるを、スターウォーズの親子で。ってことで仕込まれてる映画のオタク的ネタいろいろ…

ポプテピピック

私たぶんオタクだけど、どっちかっていうとゲームとかフィギュアのオタクなんで、アニメは作画評価の高そうなやつとかサブカル臭のするやつを1クール1本見るか見ないかくらいという鼻持ちなら無いタイプのオタクで、まあ終末のイゼッタとか百合枠は別腹だよ…

『セガ vs. 任天堂――ゲームの未来を変えた覇権戦争』ブレイク・J・ハリス 仲達志訳

いかにもアメリカのライター本的な文体、つまりドキュメントを劇的にドラマ再現したニュージャーナリズム文体で書かれるので、面白おかしく飽きないこと絶対です。巧い。 セガ社長はサイコな狂人だし、だいたい出てくる人間は元気過ぎる有能ビジネスマンで、…

『焼肉大学』鄭 大聲

焼き肉大学読んでる間、焼き肉屋に行かない時間に抱えるストレスが凄まじいので、焼き肉食べられない状況の人間は絶対に読んではいけない。禁じる。昨今パワーワードっていう言葉をよく目にするようになりましたが、こんなに胃袋を直撃ジャブしてくる書名が…

スポットライト 世紀のスクープ

gyaoのアカデミー賞セール216円だったんで、いつか見るし当分高そうなんで今見ました。評価がめちゃくちゃ高いけど、これ見る客層ってのが、メディアの勝利っていう言論によって為された社会正義を見たいわけで、まさにその欲求不満を解消してくれる題材なん…

『田紳有楽・空気頭』藤枝静男

私小説に徹し〜みたいな裏表紙の解説流し読みして、地味そうだと思ってなかなか開けなかったんだけど地味〜〜〜〜なザ・日本文学みたいな出だしから、ニトロ爆発、ぐい呑(陶器)と金魚♀のラブラブセックス(一人称陶器)にはびっくりしたね。そこで終わらず…

『abさんご』黒田 夏子

母と娘の緊張感に満ちた一生の関係を、子視点で書く中編。子供のみずみずしさと幼いがゆえの不器用さ、そして子供だった過去を振り返る自分の老いの両方を備えていて、豊かな読書体験でした。広い時空が緩やかに重層に、でもこの一つの世界でだけ流れるのを…

『21世紀の貨幣論』 フェリックス マーティン  遠藤真美訳

欲の皮が突っ張ってるよな自己啓発っぽいタイトルですが、まあ私も金が欲しくて読んだんですが、お金というシステムの歴史雑学本で、えらい面白かったです。 冒頭の面白い話、産物が食べ物と唯一のぜいたく品のナマコくらいっていうヤップ島で使われてた石の…

『メディア・モンスター:誰が「黒川紀章」を殺したのか?』曲沼美恵

恥ずかしながら、30代の私は黒川紀章という名前を知りませんでした。都知事選出馬も覚えてなかった。 メディアに露出がすごく多かった建築家の人だそうで、中銀カプセルタワービルは老朽化のネットニュースで知ってる…くらいの前知識。読み始めたら建築の戦…

『悪女について』有吉佐和子

昭和エンタメ小説でめっぽう読み易くて面白い。事故死が報じられた悪女について、インタビューに答える一人称連作で、悪女自身は最後まで出てこない。匠のエンタメで、露悪趣味からついつい読んじゃう…登場人物は男女年齢階級さまざま。 オホホホホのザーマ…

『ラッセンとは何だったのか』原田 裕規

余りにも金欲しくて郊外ショッピングセンターでラッセン展のチラシ配りバイトした私にはこの本を読む興味と資格がありまぁーす! ラッセン展入場無料券渡す基準はショッピングセンターに来る層の中で金持ってそうな人とファミリーです。子供は動物キャラ好き…

『青白い炎』ナボコフ 富士川義之訳

映画ブレードランナー2049で、人造人間の感情があるかテストするシーンで読み上げさせられる言葉は、この小説の引用だそうなんで読もうかなと思ってたんですが、岩波文庫の分厚いやつ(580p↑)って気合が必要なのでなかなか手がつかず、電車に104分×2ってい…

『凍』沢木耕太郎

氷壁に挑むクライマーのルポ。2015年の本で2005年の実話。筆力十分の余りに、辛くて苦しくて夢に出そうな苦しさ。 登山が、探検隊の流れを汲む大人数でベースキャンプを設営しながら前進して、最終キャンプからメンバー選別したアタック隊だけが頂上に挑むと…

『音楽入門』伊福部昭

鑑賞者のための音楽の歴史。律動、旋律、和声の中で、律動(リズム)が赤ん坊の興を引き、各地民族音楽に見られるもので、人間にとってもっとも早い音楽だけども、だからといって下等な音楽ではない、など、考えたことも無かった音楽について、薄いのにまる…