2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『深沢七郎コレクション 流』 (ちくま文庫) 深沢七郎

楢山節考は入ってないけど、代表作の小説。 「東北の神武たち」は、今村昌平監督映画に1エピソードとして入ってたやつだあ〜これがあんな映像になってたのかと。 ものすごい作品で、なんつうか日本の話なのに現代社会から隔絶した地の自然描写とエキゾチズム…

おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄) (光文社古典新訳文庫) ホイットマン 飯野 友幸

薄い入門版の抄訳で光文社古典新訳文庫ありがとーう! 岩波文庫だと分厚いの3冊なんで、あの岩波のギチッとした小さい字の版組で分厚いの3冊だと今読む元気なくてさ。しかし、やたらめったらスーパー元気がでまくるすごい本だ。 詩+その解説で、最後に原文…

[本]『春にして君を離れ』アガサ・クリスティー 中村 妙子訳

選んで読んだわけじゃなくて、図書館の払い下げにあって、しかも今手元に読む本が全然ないので読んだら、なんかジャストタイミンな話… イギリスの老婦人が、旅行で足止めされたときに余りにも何にもやることがなくて、ついつい人生の回想をする話。何も問題…

[本]『すべての美しい馬』コーマック マッカーシー 黒原 敏行訳

文体が特徴的で、50年代アメリカというほぼ現代でカウボーイしてその100年前みたいなウェスタン冒険するにはっていう、すでに現実離れしてることを、会話のカギカッコ無し、時々句点がなくなる語りみたいな文体が何重にも現実から隔離してくれて、ものすごい…

『アラバマ物語』ハーパー・リー, 菊池 重三郎

一番言いたいことは、すごく読み易かった面白い本だということです。名作名作と聞くんで、岩波文庫かなと思ってたんですが、予想外に暮しの手帖社刊。つまり、大衆向けのとても読み易い小説で、小難しいところは無い面白い60年代ベストセラー。時代感じるこ…

『別冊映画秘宝ブレードランナー究極読本&近未来SF映画の世界』

迷ってたんだけど買っちゃった… ISBNついてる商業誌なのに同人誌。こういう作者の労力を無視して、紙代にもなってなさそうな本は本当に金払う価値がある。ブレードランナーしか載ってないというか好きな人の執念と妄想しか載ってない。 映画本編のバリエーシ…

ブレードランナー2049

感想メモ。 ネタバレなしすごい。本当にブレードランナーだ。ブレードランナー+α。一本全部ブレードランナーが丸ごと入ってるのにもう一本!みたいな。 ちゃんとこの現代における新作してるのに、まるでブレードランナーで、なのにブレードランナーの続編と…

『死ぬことと生きることと』土門拳

タイトルが大仰でビッグネーム。 近年の再販版で、あとがきの人が微妙に無名で???だったけど、現代でこれ読むということについての話だったんで、たぶん出版当時と全然違う受容してました。昭和の文化人おじさんが文化人らしい本を出した、自身のスランプ…

ジプシー・デンジャーを2017年に買う

ある晩、突然パシフィック・リムの主人公機ジプシー・デンジャーが欲しくなってしまい、日本の大きなお友達価格のお品とアメトイ商品展開の物量の荒波に一晩揉まれて煩悶してたので、備忘として残しておきます。そろそろ2の情報が出てきて、公開されてる機体…

『「伝える」ことと「伝わる」こと―中井久夫コレクション』中井久夫

人間についての本質。人間の根源。 すごい面白かった本なので、手元に置こうかなあ。精神科の医者、各国語を操る文学者として、現実の肉体と精神や空想の領域を自由に横断する視点ならではの、人間を構成する断片についてたくさんの事実と、そこから考察した…