おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄) (光文社古典新訳文庫) ホイットマン 飯野 友幸

薄い入門版の抄訳で光文社古典新訳文庫ありがとーう!
岩波文庫だと分厚いの3冊なんで、あの岩波のギチッとした小さい字の版組で分厚いの3冊だと今読む元気なくてさ。

しかし、やたらめったらスーパー元気がでまくるすごい本だ。
詩+その解説で、最後に原文も収録の親切仕様で小難しいことは一切なし。抄録なので、かったるくなることもない。原文あるのが、あっこんな文でこの訳なのかって確認できて便利。
愛!
愛!!
人間でよかったなあ、だよ。読んだら一瞬そんなこと思うよ。やべえなあ。こりゃ中毒する系の快感。

人間だもの。そんなかんじの大衆詩の側面もある。それは大衆を歌ったものだというところからなんだろうけど、だって私大衆だし。アメリカ人じゃないけど。アメリカ人でこれ読んだらいい気分なことでしょう。でも、ハウツー本みたいな軽さじゃなくてちゃんとした文庫読んでる感もあって、詩そのもののパワーがものすんごい。アメリカ礼賛っていう単純さじゃなくて、この人まさにそのアメリカに生まれた人で、その出来立てで一番いい面白い時内戦やって一番悲しい時を人生全てで、猥雑さも隠さず書いたっていうのが。

大好きSFブラドベリの『歌おう感電するほどの喜びを』は、ホイットマンの詩集からタイトルがとられている…ってことで、いつか読みたかった一品。ほんと大好きでようこれ。
まさに、この詩が歌う肉体が魂を形づくることがテーマで、しかも同じくポジティブに人間性を愛していて、本歌取りやってたんだなあとわかりました。ロボットと人間と魂と、子供時代のノスタルジアと、本当に大好きな作品。

なんか元気出過ぎておかしいなと思ってたら、私静かにソローを読もうとしてたのに、なんかのタイミングで覚え違ってホイットマン選んでしまったこと思いだし事故感が強い。