2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬一』佐野慎一

民俗学の宮本じゃ売れないから、渋沢くっつけたのかなーと邪推してたら、んなこたーなかった。すいませんでした。表裏一体の人でした。コンビ的な人間関係ではないけど、いろんな意味でお互いになくてはならない存在。渋沢は金はあるけど、人生がない。宮本…

『輝く断片』シオドア・スタージョン

SFオチじゃなくてびっくりした短編集。むしろSFオチだったらフライングブックスの衝動に駆られざるをえないくらい、不思議な読後感です。奇想コレクション という叢書の一冊にふさわしく、狂気でもなく特異でもなく、普通に変な本。変なのに、美しいとか切な…

『レナードの朝』

中学生の頃持ってたんだけど、読まずに売って、今借りてきて読みました。月並みな言葉になるけれど、肯定も否定もせず受け入れる、時間をともにすごす、それでわりと人生満足なんじゃないかな。できないから困るんですが。突然、嗜眠性脳炎という奇病で人生…

『遠い山びこ』―無着成恭と教え子たちの四十年 佐野 眞一

教育やった人なら誰でも知ってる『山びこ学校』のその後。そんな予感はしてましたが、つらいときに読みがちな、女工哀史とかお悲しい労働カテゴリに入れたくなる本でした。山びこ学校とはなんだったのか、当時とその後の追跡ルポ。「理想」ってのが教育内で…

『生物と無生物の間』

こういう本って、書いてあることそのものに興味があるよりも、著者を楽しむもんだよなーと思います。皮肉でラディカルで気取ってて理系だわ!と理系っぽさが存分に楽しめました。生命のモデル論をいろいろ紹介してくれたんで面白かったです。でも、もう今は…