2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『サンクチュアリ』フォークナー

フォークナー大好きなんで、読みました。この、最初っから破滅くささをぱんぱんにはらんだ不穏で不機嫌な空気と、影を濃く伸ばす強烈な日差しのイメージがたまらんです。話は、南部VS個人みたいな、いつもどおりのフォークナーなんですが、初期の作品らしく…

『アイルランド短編選』 橋本 槇矩訳

ケルト民話じゃないよ、暗い、ビンボー、暗い、不幸、破滅!あー悪くなるんだろうな、なるんだろうなという予感ビシバシで破滅! 映画のアンジェラの灰みたいな、あの灰色のしめっぽいビンボーくささが、全編にわたってしんみりしてます。で、アイルランドと…

『星を継ぐもの』

古典SF。ミステリ。謎解きがSFギミック満載で最後の結論が爽快でした。謎解き過程に、ステレオタイプな葛藤とか人物の衝突とかありつつ大団円でチーム感あふれてていい本でした。

『聖杯と剣―われらの歴史、われらの未来』 リーアン アイスラー著

ファンタジーじゃないよ、フェミ本だよ。 私はなんだってフェミ本ばっかり読んでいるのだろうか・・・ 原体験は、大学の授業で男らしさと女らしさを発表した野郎がいて、無意識のうちに「男らしい女」○「女らしい男」× っていう発表をしちまってたんだけど、…

『PRESS START -Symphony of Games- 2009』

今年も運良くチケットとれたので行ってきました。 いい音楽聴けました。いい音がよく鳴ってたので、今までで一番音楽として楽しめました。 成功要因は、昼夜2回公演の、夜なんで練習+1回分くらいうまくなってたのかも。 聞いた話ですが、こういったコンサー…

『幸せの理由』イーガン

人間についての本。SFはあくまでもギミックに過ぎなくて、その中でゆれる人間を描く短編集。SF類型だった登場人物が、人間観察されていくうちに予想もしないオチとともに一人の人間として転がしてくので読み応えありました。

『色と欲』上野千鶴子

初★上野千鶴子。だが、これは紀要っぺぇアンソロなので、上野千鶴子は最初の1本だけです。しかも10年前の世相を切るシリーズ本の一冊。バブルがはじける頃までの、日本社会の欲望のあり方を、家電製品とかAVとかいろいろな切り口から考察。「欲しい」ってい…

『たったひとつの冴えたやりかた』ディプトリー 浅倉久志

訳が超うめぇ 一人称と三人称を自在に自然に、しかも瑞々しい統一されたトーンのままに。