2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ガタカ

遺伝子が職業も将来も決定するほんの少し先の未来、として20年前に夢見られたSF。だから、ネットとか個人デバイスが一切出てこない! 未来描いてるのに昔という逆説。 劣悪とされた遺伝子を持っているために下層階級として生きざるをえない男が、事故で下半…

キャロル

1950年代を舞台にした映画。昔の名作映画のような画面が、今の時代だからこその洗練された演出で表現されて、本当に美しい。作り物感っていうことじゃなくて、説明が難しいんですが、シーンに流れる時間が昔の映画みたいなのに、今の構成とか演出だなって思…

フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ

ネット配信のドラマシリーズ。入っててよかった尼プライム。ほんとこれだけで今年は元とったな感。1話見た後、1週間くらい間があいちゃったんですが、その間ぐるぐるずっと回ってしまいました。子供の時に見た世にも奇妙な物語、のようにストーリーにショッ…

『河北新報のいちばん長い日』河北新報社

新聞屋という事件で飯食う職業の、それだけではない、もっと何か。人間の営みとして意味を見いだそうという葛藤。 大震災の後、結構文化人とかヒヨったりして文筆業のもろさみたいなの感じたことあったんですが、胸まで水が浸かって死にかけた記者が必死に出…

『知への賛歌』ソル・フアナ 旦 敬介訳

17世紀末セルバンテス後のスペイン文学最大の作家にして修道女。結婚せず一生好きな勉強して生きてくために、戦略的に尼になったそう。今までぜんぜん知らなかったのですけど、メキシコの紙幣になってるくらい有名作家だそうで。当時のメジャージャンルの難…

『堤清二 罪と業 最後の「告白」』児玉 博

西武百貨店からセゾングループ、リプロポートを通じて一つの文化を作った経済人にして、作家辻井喬の顔を持つ堤清二へインタビューしたルポ。文春掲載。表紙家族写真の目もと涼しい少年の、晩年へのインタビュー。 政治に経済に文壇にアメリカに右翼に共産主…

日本の絵本100年の歩み  ちひろ美術館

人生で再び目にしている『いないいないばあ』など名作絵本たち、そんな有名絵本の原画がまとまって展示されるなかなかない機会なので、駆け足で行ってきました。一人につき3点くらい。見たことある絵本の原画なんで、どうやって描いてるのか興味津々。時間が…

『ナインストーリーズ』J・D・サリンジャー 柴田元幸訳

大人と子供が会話をする9つの短編。どちらも確固とした人格を持ち、子供は大人が薄まった未完成な存在ではないし、大人は子供のまま続くピュアさを垣間見せるけれど子供ではない… 現代読者である私は、暴力とロリコン野郎の心配を捨てきれずに読み終わってし…