2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『紙の動物園』ケン・リュウ

中国人のアメリカSF作家で世界中で大ヒット中。特に中国と日本。きれいな装丁なので、内容と合わせてプレゼントする本としてもものすごく喜ばれそう。読書好きだともう持ってたりしそうだけど。 中国とアジアのエキゾチックが目新しくも、センチメンタルで繊…

『カラシニコフ』1、2

カラシニコフ銃のすべて。 カラシニコフを持った少年兵へのインタビューから始まり、今実際に使われている現場(1は現在内戦してるアフリカ諸国、2で南米(とアメリカ)東欧、イランイラク、アフガニスタン)への取材、存命中の銃の設計者カラシニコフ氏への…

『道草』夏目漱石

夏目漱石と太宰治は、「俺の怒りが有頂天」のツートップで長らく読んでなかったんですが、面白かったです。30過ぎて今初めて面白い。今!やっと!芥川と鴎外は理想主義者だから若いうちでも、わくわく読むんだけど、ほんと夏目漱石はイライラして学生時代は…

『紙つなげ! 彼らが本の紙を作っている 再生・日本製紙石巻工場』佐々涼子

石巻の海岸一帯にそびえる巨大な製紙工場。構内から40体もの遺体が出てきた壊滅的な被害の様子の描写から、こんなにがんばって工場動かさなくても…と思わないでもないモーレツの突貫作業に、何がかかっていたか…たたみかけるように記述される事情が工場再開…

『クローヴィス物語』サキ

軽妙な短編で、会話のテンポや緩急が名人芸で素敵なんですが、底意地が悪い…フランスかと思ったらイギリスで、少年の心を忘れない20代男性向けのエスプリとイギリス意地悪ジョークの到達点。読者層が狭かったわけじゃないので、当時の文学のターゲットが20代…

『子どもを殺してくださいという親達』

売れてる本。ザ・子育て失敗選。・・・。大失敗だよ・・・。衝撃的なタイトルだけど、書いてあることはごくごくまじめ。措置入院や移送などで、医療につなげる民間の精神障碍者移送サービスを営む著者。著者近影がオラオラ系ヤンキーでうさんくさいと思って…

『死とその瞬間』エリザベス・ロス・キューブラー

怖いもの見たさで読み始めたものの、大きなあらがえない変容を前にしたときの予備知識として読んでよかったなと思います。死ぬような大イベントまでいかないにしても、何かをあきらめるとき、望みがかなわないときにどうなるんだろう。どうしたらいいんだろ…

『雪』オルハン・パムク

トルコの現代小説。雪に包まれたトルコの都市で自殺した少女達と市長選の取材をする、亡命詩人の話。トルコ人が主人公で、トルコと西欧の軋轢を題材にしてるけど私の乏しい欧州文学読んだ経験では、フランスとかイタリアなんかのヨーロッパ文学の正統っぽい…

『したきりすずめ』のじいさんバッシング

30年前に私が読み聞かせてもらった『したきりすずめ』のテレビ絵本。今読むといろいろつっこんでしまい、それを夫に話したら「まるで男が全部悪いみたいじゃないか」と泣かれたので、書いた物を他者の視点で読み返してみたら理解できるかもと思いまして、書…

小児科

小児科について徒然。何軒も小児科が周囲にあって恵まれた環境です。しかし、それゆえの悩みも…・S小児科 市指定の大きな小児科で病児保育併設。 混む!ものすごく混雑した待合に2時間くらい芋洗いなので、できるだけ行きたくない。感染症の検査やってくれる…

いしぶみ 再び

去年、本を読んでものすごく重かった『いしぶみ』。原爆で生徒が全滅した中学校のドキュメント。その元になったドキュメンタリーが2016/3/31までなんと無料配信中。白黒だ…まさか映像本体見られる機会があるとは思いませんでした。芸術系の賞もらってる番組…

『内臓のこころ』

ちょっとカルトな昭和の良書っぽいかと思って借りたけど、その時代の大衆啓蒙書みたいにかんじていまいち。

『吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝』

ネットで精神崩壊した画家はこうなる的な画像で有名な人。の伝記。 絵↓ https://www.google.co.jp/search?q=%E7%8C%AB+%E7%94%BB%E5%AE%B6+%E7%B2%BE%E7%A5%9E&hl=ja&biw=1500&bih=888&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwim6qnZjqfLAhWIKpQKHdlmDtEQ_AUI…

『昨日のように遠い日々』

少年少女時代を描いた作品のアンソロジー。いかにも柴田元幸。収録短編は軽重あるものの、切ない甘酸っぱい独特の感興で一冊読むのがいいかんじですけど、字が大きくて中身はあんまり入ってないのでゆったり雰囲気楽しむ本。少年の日のきらめきの描写と、喪…

『オスカー・ワオの短くも凄まじい人生 』ジュノ・ディアス著

南米文学の中でも、レア気味なドミニカ文学。にして米文学。この前読んだ『バナナの世界史』のアメリカVS南米の大まかな知識くらいしか知らなくて、ドミニカについてはどこにあるかも知らないもんで、この本で初めて触れるドミニカ史でした。 恋するオタク男…