2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『百年法』

あんまり頭が良くない系のエンタメ小説なんだけど、長寿社会の果ての実験小説的な趣には大変興味があるところなので、最後まで読みました。ww2後に不老不死技術でドーンと労働者を増やして経済発展して数十年の日本、人間が死なないから行き詰った社会で導入…

4DX パシフィック・リム。4DXと『素晴らしき新世界』

4DX映画館ができたよワーイ 上映一作目観てきました。パシフィックリム自体は何度も観ていますが、4DXのテストランかと思うほど、フル機能を堪能できる作品でした。 映画に合わせて… 吹き抜ける風が、さわやかで気持ちいい。 結構激しいライド座席に、水霧プ…

『やちまた』足立巻一

日本語文法の先駆者、本居春庭の評伝。且つ、著者の自伝。日本語文法が苦手だった身なので、偶然知りました。 リサイクル本でたまたま手にとった灰谷健次郎の『われらいのちの旅人たり』に、この本の著者の足立巻一の逝去に関して一文があり、とてもよかった…

『不滅の物語』イサク・ディーネセン

ヨーロッパの近代小説。短編集の体裁で、起きる事件もドラマチックに書かれてるんでサクサク読めはするんですが、普段読んでる小説とあまりにもかけ離れて異質でした。物語を描いた物語という、入れ子構造を理解している登場人物というメタ的な視点もあるの…

『黄金の眼に映るもの』 カースン・マッカラーズ

アメリカの小説。ノヴェラくらいの分量ゆえに濃厚。 軍の基地で殺人事件が起きた、という導入から始まるので、この中の誰かが殺されるという予感を抱きながら読み進む構造だけどミステリではない。 普段読むかんじとはちょっと違ってたんで感想のとっかかり…

『皆勤の徒』

ものすごい小説でした。これ以前/以降になるような作品なのに、これを作れるのはこの作者だけだろうっていう。日本語を意味何重にも酷使してるので、こういうのが芥川賞もらえばいいんじゃないかと思うほど。直木賞はもらえそうにない系の作風通すので読むの…

『ボタン穴から見た戦争』

今年のノーベル賞受賞者。品薄で図書館で借りましたが、買って家に置くのがためらわれるほど惨く重い本。著者の意見とかは一切なしで、一つ野テーマについて短いインタビューを何百も収録というスタイルなので、読み易いは読み易いんだけど、それが実体のあ…

『聖の青春』『将棋の子』

昭和57年前後、将棋棋士を目指す羽生世代と言われた若者を描いたネガポジにあたる2冊。『聖の青春』は羽生に匹敵する天才棋士ながら夭折した村山聖、『将棋の子』は棋士になれずに去って行った若者たち…そして著者は彼らと同世代で将棋を愛しながら奨励会に…

ハーモニー

ネタバレなしだけど、初見で見るのが楽しいと思う人は見てからどうぞ。 小説ウロ覚えで見に行きました。伊藤計劃の長編中ではこれが一番好き。 百合も大好きだが、監督がそれ以上に好きなので、「たまに絵がなかむらたかしっぽい顔に見えるな…」という変な感…