『不滅の物語』イサク・ディーネセン

ヨーロッパの近代小説。短編集の体裁で、起きる事件もドラマチックに書かれてるんでサクサク読めはするんですが、普段読んでる小説とあまりにもかけ離れて異質でした。物語を描いた物語という、入れ子構造を理解している登場人物というメタ的な視点もあるのに、この書かれた物語そのものに没入できて、昔話とか伝説のような原始的な物語を読むような気持になってました。
現代を材料に書かれた物語は、物語の終焉に至った瞬間でもあり、と同時に物語が機能して、人が人以上の神になる瞬間と、人が物語の中の人物になる交錯は全然読んだことないタイプで、ものすごい劇的。読んでると、普段の頭と違うところ使う。