『やちまた』足立巻一

日本語文法の先駆者、本居春庭の評伝。且つ、著者の自伝。日本語文法が苦手だった身なので、偶然知りました。
リサイクル本でたまたま手にとった灰谷健次郎の『われらいのちの旅人たり』に、この本の著者の足立巻一の逝去に関して一文があり、とてもよかったので著作を読んでみました。引かれていた墓碑銘とそれについての文章に心打たれたのだけど、この本処分しちゃったんだあ…微妙に古い一般書は図書館でも廃棄されてて無い…ネットで検索したらありました。

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人の世やちまた
   祖父 祖母 父 母
   ここにあそびたまえ
       一九七二年秋 巻

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さておき。
評伝+自伝という、一歩間違うとオッサンの話はどうでもよくなって投げてしまいがちなスタイルなんですが、著者自伝パートも面白い。神職を養成する学校で青春を過ごす仲間、教師との出会いに、この謎の人物の探究の日々と評伝の深まり。普通そこは割愛するよなっていう、著者の経験と春庭に関わるこの世のほぼすべての資料が引かれているという情報量がとんでもない本で、こういうとんでもない異質な本が文庫で売ってるのが驚き。空前絶後に決定版となる一冊を書き上げたんだろうなあと思います。

そしてすみませんが、私は途中で飽きて読むのをやめました。ごめん。