2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『競馬の終わり』

ジャンル:競馬本&架空戦史という、趣味本の極みなので結果SF小説に。ifロシアに占領された未来日本、サイボーグ競馬開始前に行われる、最後の生身の馬のダービーを描いた小説。 SF小説は何よりも、夢とロマンのアイデアとシーンの美しさなので、小説として…

『共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール

動物についての本って、ある種の純粋さや真実への出会いを求めてつい読んでしまいます。だから往々にして著者がイカれてる本も多い。日常からの飛躍は欲しいけど、イカれてるのはちょっと…なので選書のさじ加減が難しい。 この本は全部が全部は肯定できませ…

『闇の中の男』ポール・オースター

オースター読むの久しぶりだなあ。15年前くらいに『ムーンパレス』、『最後の物たちの国で』、なんかを読んだきりです。 現代のアメリカ小説。普遍性があるようなないような、謎めいた語り口は懐かしくて、あらすじ知らないで読みだしてよかった。ムーンパレ…

『自分ひとりの部屋』ヴァージニア・ウルフ

紹介読んで面白そうだったんで。 女性についての本。女性作家が創作することについて、その歴史と作者の思いを人に語るために書かれた原稿に手を入れた本なので、小説でもなくエッセイでも批評でもない。読者は作者を直接見つめるし、作者にも読者が必要。本…

『バナナの世界史』

最近バナナばっか食べてるので読んでみました。バナナについてなんでこんなにも無知だったんだろうと思い知る一冊。 政治的で人工的な食べ物なんですよ。 バナナが安く食べられてきたっていうのは、ものすごい大規模栽培と生産地の凄まじい搾取で支えられた…

『やわらかな遺伝子』

2004年なので科学書としてはちょっと古めだけど、タメになりました。病気になりやすかったり、勉強の得意不得意なんかの原因が、「生まれか育ちか」といわれたら、どちらも関係があるよーという当たり前のようなことについての本。どちらかを重視したいって…

『水晶内制度』

女しかいない国SF。しかし庄野頼子なのでトバしてるう。冒頭がものすごく気まずくて役に立たなくて攻撃的で不快で面食らう。その後も超攻撃的。たしかに男ではない。心地よくないのに、覗き見とか悪口にノるような、ものすごく面白い本でもありました。