2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『山尾悠子作品集成』山尾悠子

山尾悠子キてるよーと去年聞いてから、ちょくちょく読んでました。幻想文学。前読んだとき、生身と頭の中の狂気の堺をうろうろと書きましたが、誤読でした。生身はなくて、腐敗したモノなんですわ。死体、腐爛、廃墟、そういった生きてたけど今は死んじゃっ…

『蟻』ベルナール・ウェルベル

アリンコ大冒険。ひたすら蟻の生態が描かれてたらどうしようかと思いましたが、SF娯楽小説仕立てになってるのさハニー。蜂じゃねぇ蟻だ。わりとハラハラドキドキ、アリンコだけにちょっとしたことで主役交代の危機な淡々とした面白さなので、時間つぶしには…

『星空の二人』谷甲州

おとこくさいSF。SF!っていうSFでした。SFギミック+やや型に嵌ったキャラクターによる定型な小咄っていう、読んでて超安心するSF。 私が最初に読んでしまった谷甲州が『エリコ』なんで、妙な印象になってしまうんですが、こういう所謂正統派な人なんですね…

『牝虎』バイコフ 訳:上脇進

通りかかった満州人達は立ち止って、頭を振り振り、口々に言った。 「あ、バボーシカ! 酷く悪くある! 酔っている! それ、よくない。起きる宜し。我々、少々手伝うある!」 (中公文庫P132) 初めて、まじめに「ないないアル」言ってる、中国人の描写を読み…

『ハイペリオン』ダン・シモンズ

あけましておめでとう1冊目。まさに文系のためのSF。SFは勿論、文学のいろいろなもの、いろいろな形式を、模倣し、包括してるんで、全人的っていうか全文的な世にも不思議なバランスのSFでした。いろんなこと思い出しながら読むけど、それぞれの意味をまた違…