『山尾悠子作品集成』山尾悠子

山尾悠子キてるよーと去年聞いてから、ちょくちょく読んでました。幻想文学。前読んだとき、生身と頭の中の狂気の堺をうろうろと書きましたが、誤読でした。生身はなくて、腐敗したモノなんですわ。死体、腐爛、廃墟、そういった生きてたけど今は死んじゃったモノがメインをはってました。数読んだら、傾向と対策がなんとなーく見えてきましたが、決定的なのは、「喜劇」なことかも。狂気も世界も、頭の中から出てきてることだけど、それは、喜劇としてポーズとってるんで、マジメに受け取っちゃだめだ。
「腐敗したモノ」っていう、生とも無機物ともつかない、その中途半端さの感覚が、きもちわるーくていいのかも。生きてない。これ重要。面白かったです。この人のデビュー作ぐらいの若いときの作品が、すごく饒舌でびっくり。すげー。