2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『死の地帯』ラインホルト・メスナー

死にかけた登山家100人に聞きましたー、みたいな本。滑落している時、何を考えたとか、遭難しかけてるときの幻覚とかを蒐集。ちょいスピリチュアルなのかなーと思ってたんですが、遭難しているときに「そばに家族がいるように感じる」「いないはずの友人がい…

「Vampire Hunter」 creatan create版と三年物語版

公演終了してかなり経ったので、感想。 大学生のときに、劇団creatan createのVampire Hunterにヤバいくらいハマって、春休みバイトで貯めた金を全部使って見られるだけ見てました。何でそんなにハマってたのか、今思い返してもどうしてそういうハマり方した…

サルバドル

エルサルバドルの内戦を取材するカメラマンの映画。はじまりは、イージーなアホ男二人で女に酒に薬で悪いバカンスし放題な空気が、あれよあれよと地獄のはじまりだフーハハーふざけてる場合ではなく、まじめな映画でした。当時の共産圏とか、アメリカの軍事…

アメリカンスプレンダー

オタクの人生。さえない事務仕事をするオタクと、ちょっとメンヘルなオタク女。日本におけるオタクの語られ方より、根暗だとか考え方とか、そういう種類の人間の傾向っていうかネガティブにとられるところも、ちゃんとオタクの特徴として書いてあるわけで面…

パプリカ

アニメ。そして大人向け。子どもが見たら、トラウマになること絶対な、不気味さ。悪夢パレードの九十九神みたいなガラクタは大人には見た事ある何かでも、子どもには未知のなんか嫌なものだろうなー。 夢をテーマに、ちょっと頭よさそな心理学っぽいところか…

ルネッサンス

フランスアニメで、白黒ノワ〜ル。何となくノワールって言ってしまいましたが、登場人物がみんな不機嫌で不幸でバッドエンドなので、ついついノワ〜ルって言ってしまいました。 映像は、確かに初体験な画でした。白黒で、妙な透明感のある目に痛い画面が、滑…

『売文生活』日垣隆

文章書いて、お金っていくらもらえるの?っていう金額を明かしてくれる本。明治から、現代の作家、ライターにいたるまでを通史で見せてくれるので、文章が商材として成り立っていることを遠くから眺められるわけですよ。 他のフリーの仕事と同じように、一人…

『死のクレバス』ジョー・シンプソン

落ちてたので拾って読んだ登山家の本。 遭難した二人組みの、信頼、疑心、葛藤、そして二人の関係なんか超えた、それぞれの死と生の戦いを、二人の当事者が書いてるという珍しい本。つまり、二人とも助かってるのですが、お互いに相手は自分のせいで死んだ&…

『リトル・ミス・サンシャイン』

ほのぼの家族のロードムービー。大嘘です。すんません。 薬中エロ爺さん、美人コンテストの予選を通過してしまったおでぶな妹、成功にこだわるパパ、ほのぼの家族を夢見てるママ、ニーチェに憧れてしゃべらない息子、そこに転がり込んでくる振られて自殺未遂…

『悪霊』ドストエフスキー

名前に迫力負けして、一生読むことはないと思ったのですが、まわりでなんか流行ってたので読みました。オバケとか出てきて納涼かもしれないし。しっかし超おもしろ。 長いだけあって、いろんな登場人物がいいこともわるいことも、みじめなこともよく見えるこ…

『プレイヤーピアノ』ヴォネガット

仕事がなくなるとどうなるかというSF。 働いて金と生きがいゲットという社会システムを壊した、ユートピアっぽい社会がうまくいかなくなっていく過程が、一人の人間の生き方をなぞって書かれます。 いろいろうまくいかない。エリートの腐り方とか、労働者の…

『ジェイルバード』ヴォネガット

SF文庫ですが、ウォーターゲート事件で失脚した架空の官僚を主人公にしてアメリカ経済を書いてて、SF(すこしふしぎな)のほうのSF。 年月を経たことの悲しみや寂しさを、軽妙になんでもないようにやり過ごしていくけど、それを自覚的にやるのはとてもやって…

『ガラパゴスの箱船』ヴォネガット

考えすぎで悩みすぎな鬱病っぽい人に超オススメ。目からウロコで論破されて、悩んでるとか限りなくどーでもよくなりました。 地球が滅亡したときに、たまたま生き残った男と女の話。超面白いから、あらすじは秘密だ! このあと、フーコーの振り子を読もうと…

あるいは裏切りという名の犬

いい映画だなぁ・・・。 闇の、闇にうつる影がまた美しい、冒頭の雨に濡れた夜のパリ市街が象徴的です。あんまり単純には正義VS悪にできなくて、全てが闇に沈んでいる中で、それぞれが欲することを追い求め、対立し、裏切り、全ては終わる。終わり方もすごく…

マーダー・ライド・ショー

ホラー映画。様式美としては、最高。 モラルや生や尊敬や明るい現実の裏返しが、とてつもなく陽気に様式美として画かれるので、そういうのを期待してると、本当最高。音楽もいいよ。 でも、グロ注意。まじで。2も借りてたんだけど、深夜そうじしながら見て…

『蒼ざめた馬』ロープシン

テロリストの話。理想主義とか社会主義みたいなものは、若者をとらえるロマンチシズムとポエジーに満ちているという。大ハマりするってことだと思うけど、ハマるとやることがテロとかアジテートとかになるから大変だよなぁ。昔のロシアの爆弾テロリストの日…