2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

子どもに作る食事で、汁にお麩やカツオブシを入れていると、私が子どものときに飼育していた金魚とかオタマジャクシに麩をあげてた時のような気分が思い出される。 昔の図鑑には、エサとして麩やカツオブシをあげるって書いてあったけど、今は専用エサをあげ…

『MとΣ』

中編集。就寝中の日本人が無差別虐殺される「パレード」を通勤中に読んでる時に、電車が停電して止まったもんでゾクっとしたね。あなたが私ではない不安、暴力への不安を、一見無関係な時と場所と事件の過剰なカットバックであぶりだす技法なので、私は読む…

チャッピー

泣いた泣いたものすごく泣いた。ロボットがいじめられる。かわいそうで、もうこれだけでダメだ。そのあと、お母さんに慰められる。もうだめだ。涙が止まらない。 ごく近い未来、南アフリカに配備された警察ロボットが意識を持った途端、いろいろあってギャン…

ブックオブライフ

メキシコの死者の祭をモチーフに、ドクロとお花と原色で過密で派手派手な装飾と、人形劇のような舞台を3Dならではの美しい光の演出して、ビジュアルがすごかった。予告編で買うのを決意したほどものすごい。アニメーションも素晴らしいです。ブタさんが動く…

『戦争における人殺しの心理学』

グロとか娯楽系の本じゃなくて、兵士として殺人を犯すと何が起きるか、個人と社会への結果をレポートした本。膨大な聞き取りと先行研究からわかったのが、人間を殺す体験は、人類の大多数にとっては人生を崩壊させるほどのものすごいストレスになる、という…

『100歳の美しい脳』

修道女の老後を何百人も調べて、アルツハイマーの原因を探ったというプロジェクトについての本。エセ科学とか啓発本系っぽいタイトルですけど、ヒューマンなドキュメンタリーですごく面白かった。尼さんってみんな同じ年に修道院に入ってから、出産しないし…

『82歳の日記』メイ・サートン

日記を何冊も出版してて、詩人として現役の女性の最後の日記。だから、読まれることを前提とした文章でもあるんだけど、結末を目指さずにこの今日一日を書き続ける日記という形式なんで気軽に読めました。気軽なんだけど、なんか得るものが大きいって、半分…

『GHQと戦った女 沢田美喜』青木 冨貴子

混血のWW2戦争孤児のためのエリザベスサンダースホームがメイン話題の本ではなく、その創始者の沢田美喜の評伝。 なので、その生まれである財閥の歴史から、華やかな生活、語学と話術のものすごい事務能力と、財閥の御財布の派手な浪費と、外交とアメリカの…

『センスオブワンダー』レイチェル・カーソン

短い本。幼い甥と、自然の中を散策した時のことが書かれていて、文章が美しい。原書は写真と一体の大判本だそうで、この新潮社の新版には日本人写真家の写真が添えられた小版。 私単純だから、これ読んだ後、木立がすごくきれいに見えました。

『中国狂瀾の歓楽街』

中国の個人の価値観の変化を、近年の主に性産業の事件から紹介。字もでかいし軽めでエキゾチックとエロいのとでつい読んでしまったわりに、結構考えさせられました。 美貌以外何もない十代の女性が高官の愛人になって、故郷の一族を潤すほどの金(主に組織の…

『神、人を食う』

この前読んだ介護民俗学の人。調査力が優秀過ぎて読んですごく面白かったので、今は介護の仕事やってると思うと、どうしても惜しく思ってしまう。1970年生まれだから、一番気力体力ある時期じゃん。そっちも面白かったけど、こういう深く掘り下げる調査やっ…

『私は二歳』松田道雄

一人称2歳児の皮をかぶった小児科医であることを隠そうともしない、昭和の軽小説で面白いですよおおおお。 いしいしんじの一人称幼児とか、違和感ばっかり感じてましたが、この「一人称二歳児の皮をかぶった小児科医」という皮膜があることで、こうも面白く…