『82歳の日記』メイ・サートン

日記を何冊も出版してて、詩人として現役の女性の最後の日記。だから、読まれることを前提とした文章でもあるんだけど、結末を目指さずにこの今日一日を書き続ける日記という形式なんで気軽に読めました。気軽なんだけど、なんか得るものが大きいって、半分公半分プライベートっていう日記文体の力だよなあと思います。
こんなに年をとった人が書くものを読んだことなかったかもしれない。面倒な仕事も気の進まないのもあるし、書評に怒るし、年ゆえの回復の見込みのない体調不良に気分が沈むけど、楽しい出会いもあれば、ふとよみがえる幼いころの甘い思い出に、美味しい食べもの、ペットの猫も、毎日の日々。