『GHQと戦った女 沢田美喜』青木 冨貴子

混血のWW2戦争孤児のためのエリザベスサンダースホームがメイン話題の本ではなく、その創始者沢田美喜の評伝。
なので、その生まれである財閥の歴史から、華やかな生活、語学と話術のものすごい事務能力と、財閥の御財布の派手な浪費と、外交とアメリカの教会、財閥との関係や、多くは明かされない戦後処理の謎が残る本でもあります。エリザベス・サンダースホームはその1ピースですが、今のホームの様子や職員、卒業生なども触れられていて、情報が過多でものすごい人生読みました。しかもこれ結構薄い本なんで、もどかしい。何か書こうとすると、一側面になってしまうところを、できるだけ多面をありのままに書こうとしているように思います。
アメリカのロックフェラーとかの財閥の信者の教会が、イギリス国教会の流れを組むもので、なんか今流行ってる福音派じゃないとかこれ読んで初めて知りました。
財閥って、巨大で長すぎる歴史でよくわからないんですが、祖父が戦争で大きくした三菱財閥の誕生から沢田美喜のWW2戦争処理で終わる生涯を読むと、ボンヤリ知れました。とりあえず三菱と三井の違いはわかるようになりました。