2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『不自由な男たち その生きづらさは、どこから来るのか』 小島慶子、田中俊之著

男の社会学者(男性学)と女のアナウンサーの対談。 男の最低条件が正社員みたいな価値観やめようよっていう本。そして、女も昭和ママが理想みたいな価値観はもうムリだしっていう本。古からの話題かつ今トレンドな話題。 女がしゃべっているのかと思ったら…

『人類が知っていることすべての短い歴史』ビル・ブライソン

これは!学生時代に読んでいればまた違ったものを…!科学者― なにやってんのー 科学って、すでにもう発見されていることが膨大過ぎるんで、唯一普遍の人間事情は関係ない絶対真理だと思ってたんだけど、人間がこの世界を観測して理解した結果なんで現在進行…

『ぼくはアスペルガー症候群』

ああーいるわーいるわー こういう人いるわー という。自分はこういうタイプじゃなかったな、というのは境界性人格障害に続いて確認できました。わかるところも、共通するところもある。いるわー。こういう人。いる!幼稚さ、とくくってしまうと気分を害する…

『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ

これはなんなのか手さぐりしながら読んでいく不透明感がものすごいのに、作者が巧くて有名だし、ものすごく読み易いので先が安心という矛盾。寓話ともファンタジーとも。物語の枠に入りそうで、小説なのか。起きることは明確で、読み終わって満足なんだけど…

有島武朗『生まれいずる悩み、カインの末裔、かんかん虫、溺れかけた兄妹、小さき者、骨、お末の死』

「骨」よかった。このどうしようもなさ。悲しみの対処の仕方が、ダメ人間養成テキストでよかった。でも、一房の葡萄の人だから、いい話の児童文学っぽいのもあるんだ。「もうこの苦しみはおれ一人でたくさんなんだ」@生まれいづる悩み 我彼の境界が曖昧にな…

『桜桃・ヴィヨンの妻』太宰治

子がいる今読んだらどうかしらと思って。青春時代は夏目漱石と並んでイライラし過ぎて読めない作家のツートップでした。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card308.html ウヒョーイライラするうううう けど、今読むといい。感慨深いです。いやー これは…

『阿Q正伝、狂人日記、明日、白光、薬、故郷、幸福な家庭、兎と猫、村芝居』 魯迅

青空文庫で読むと、わからない言葉ググりながら読めるんで便利〜と思ってたら漢語由来なのか出てこない単語ばっかで、なんとなく飛ばし読みしました。 深刻な惑いと自虐の笑いで書かれる、真剣さを欠いたように見えるとてつもなく重い苦しみ。一番大切なもの…

『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』川上和人

著者のキャラが立つ語り芸。楽しくおしゃべりしようねvっていうか僕の話聞いてねvvvっていうオタク特有の多幸感あふれてて、大変興味深く面白い本でした。子供のときから恐竜図鑑の知識が更新されてなかったから、最新の知見にびっくりよ。『恐竜のひみ…

『子育てを歌う』 松村由利子

「こどものとも」に連載された、子育てをうたった短歌評伝。鉄板。文学好きで子供できた人いたらプレゼントに最適な一冊。イイゾー 背負し子は眠れば重し蝉時雨 これは、有名な歌ではなく夫の祖父の俳句です。秀歌かどうかはさておき、子供がいればわかるだ…

『ヤノマミ』 国分拓

この前読んだピダハンだと、ピダハンよりは文明化された種族、って書かれてたけど、そうでもないよ…これはNHKのテレビクルーによる本。最近もやったみたいだから映像見たかったなあ。 エリート日本人が、そのあまりにも違う生き方に大ショックを受けて、正直…

『パリュウド』アンドレ・ジイド 小林秀雄訳

1990年の第6刷。本文が活版!活版の味っていえば味だけど字欠けとか結構版面の状態が悪かったです。初版から50年で6刷って多いのか少ないのか。っていうか55年経っても活版で作るってびっくり。パリュウドが日本語で何て意味なのかよくわからないんだけど、…

『ヒロシマの歌』今西祐行

こういうストレートに戦争モノのタイトルついてると、引くよな。っていう敬して遠ざける空気にも関わらず、私は単に刺激を求めてこの手のジャンル選んでるだけという露悪的態度をとらざるをえない。 あまりにも、こういった事象をとりまく言説が複雑過ぎて、…

『戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争』高木徹

超有能がやる仕事。素晴らしいリーダー、効率的な小編成のチームワークに、効果的な戦略とアイデアのすごいビジネスを取材した本。この超辣腕が、国家をクライアントにして、いかに我が国が迫害されて困ってるかという宣伝をして、戦争を有利にするっていう…

『病の皇帝 がんに挑む』シッダールタ・ムカージー, 田中文訳

読みたかった本。やっぱりよくわからんものは怖いよね。がんについてよーくわかる本。病院のサイトとか個々の病気のサイトとか見ても、わかったようでよくわからないんだよ。がんが記録に残る紀元前からの歴史本でもあるので、超面白く読めました。 がんの正…