2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『世界屠畜紀行』

動物を食肉にする場を、中東、モンゴル、韓国、東欧、アメリカいろんなところで取材。イラスト付き。村祭りだったり、大量消費の肉作る工場だったり、肉にする動物にもよるし、肉にする技術とそれに関わる人々と場がそれぞれ全然違うけど、みんな肉がうまく…

『エンジェル・フライト』

異国で旅客死した人の遺体搬送に携わる業者のルポ。業者、遺族、それから著者と、業務ルポから遺族について考察していくので、面白い本でした。著者がエモーショナルだと、ルポの目線が読者と乖離したりすることあって知りたい事実に手が届かないストレスあ…

『驚きの介護民俗学』

ケアを開くという介護の本のシリーズで、著者は民俗学の若手学者だった人。今は介護職についているそうで、介護の現場で利用者と関わりを民俗学的な視点で見た連載をまとめた本。どうしても望まぬ転職だったのではと思ってしまうのだけど、連載を持ちながら…

『浮浪児 1945』

全体量はそんなに多くないんだけど一行も漏らさず、ものすごい情報量の本でした。なのに超読み易いし、最近読んだドキュメントの中では一番の良書。 上野駅周辺の浮浪児の、空襲による孤児発生の詳細から、ヤクザやパンパンといったとりまく人々、時期による…

『戦場からスクープ!』

戦場カメラマンの半生記。戦闘の最中の熱狂と、同僚の半数以上が戦場であっけなく死ぬ日々、個々の被写体の深い悲しみも感じる心も当然ありながら、自分自身の死の危機に何度も何度も飛び込む、猛スピードで駆け抜ける人生。麻痺と狂騒のすごい活動量の人生…

ザ・ロング・アンド・ワインディング・労働

theatre project BRIDGE二日目を観劇しました。「ワインディング」と聞けば雷電(STG)の紫色の曲がるレーザーを連想し、タイトルがビートルズの捩りであることさえ気が付かなかった人なんで、所謂ノルマチケットで知人がいるわけですが、感想書くことにしま…

仮面ライダー クウガ

amazonプライムでタダなので、放映当時以来、クウガを見始めました。オダギリジョーが若いやつ。怖い。ホラー路線なので怖がらせる演出が容赦なく投入されて、当時はこれ朝に見てたからいいものを、夕方見るんじゃなかった。 怪人の目的が殺人なので、一般人…

抑圧

私が一番恐れていることは、躁鬱病と診断されることだ。 躁鬱病は女に遺伝しない、と医者に言われたけれど、自分の気分に波があることはわかっていて、波が大きいときほど喜びが大きく、エネルギーがあって、そういうときは創作したいなという気分になる。た…

パシフィックリムがどれだけ好きか

パシフィックリム2の製作が滞っているらしくて悲しいので、パシフィックリムについて書きます。 2は双頭か双面の怪獣が出るね!絶対! でも、私はロボットが好きで好きで、最初の10分のロボ起動シーンで滂沱の涙を流し、EDでも涙がこぼれるほど好きなのでロ…

恒川光太郎を全部

ふと読み返したデビュー作の『夜市』が好みだったんで、全部読みました。読みやすいんでついつい読んじゃいましたが、今も現役で書き続けてる作家さんの作品全部読むって初体験。文学っぽい肌触りは、大人の都合に従わざるを得ない子供って図式書いたときに…

『ジャスト・ベイビー 赤ちゃんが教えてくれる善悪の起源』

赤ちゃんを対象にした実験で、道徳や共感を観察したエピソード集。印象的なエピソードは「1歳2か月の子は、泣いている子をその子の母親ではなく、自分の母親のところへ連れて行く」。共感はある、でもそれを解決する相手の身になるのはまだ先、とか細かく段…

『伊藤計劃映画時評集』1、2

このカッコイイ装丁の中身は、10年くらい前のネットでよく読んだようなサイト主の若い自意識過剰な文章の映画評で、端的に言えば作者が読み返すとのたうち回るような黒歴史。生きていたら新作が忙しいし、公開処刑もいいとこではずか死ぬから絶対に出版って…

『絵ハガキにされた少年』

アフリカ特派員の、記事からこぼれたドキュメンタリ集。ルワンダ虐殺、差別、紛争地の黒いダイヤや、ゲバラの訪阿とか。結論はなくてぐるぐるする文章なので新聞記事にはならない。有名なハゲタカと少女の写真を撮った写真家が、そのあと非難によって自殺し…

『資本論』

数年前学生街に住んでた時、道に落ちてたのを拾って読みました。罠かも。麦のなんとかっていう聞いたことない出版社の文庫本でアングラだわ。読んだ後、普通の古本屋に「そういうのはダメ〜」と買い取り拒否されちゃった本です。ショック。 でも、読んで面白…