『絵ハガキにされた少年』

アフリカ特派員の、記事からこぼれたドキュメンタリ集。ルワンダ虐殺、差別、紛争地の黒いダイヤや、ゲバラの訪阿とか。結論はなくてぐるぐるする文章なので新聞記事にはならない。有名なハゲタカと少女の写真を撮った写真家が、そのあと非難によって自殺した、という出来過ぎたストーリーに対してあっけない真相はどうだったかという話から、演出される悲劇のアフリカという導入で、でも、タイトルになった、子供の時勝手にとられた写真が大人になってから絵葉書になってるのを見つけて買ってきた老人の話は、自慢になりこそすれ別に恨みとかはないし〜みたいな感覚とか、著者はネタにするわかりやすい切り口に欺瞞を感じているし、何事も言い切れないし結末もない。日本とは違うところだ、というのはよくわかりました。