2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『女たち三百人裏切りの書』古川 日出男

面白い。読み始めのところはまんま宇治十帖だってことに気がついて思い出そうとしても、薫の父誰だっけとスッカリ忘れてたんでウィキペディア見ちゃった・・・宇治十帖がすでにすごく面白いからさ、滑らかな現代語訳で読めるもんで、もう面白いにきまってるよ。…

『夜市』恒川 光太郎

何回か読んでるんだけど、置いてあるとつい手にとって読んじゃう。オチを忘れてました。表題作もいいんだけど、同時収録の「風の古道」が、よりいい。ハズレの少ない作家さんらしいので、他のも読みたいです。三文小説とかジャンルいえばそれまでだけど、読…

『ネグレクト』『ルポ虐待』杉山春

何が、こどもに悪いのか。こどもも大人も、人間なので、何が人間をだめにするのか、という本質のところが丁寧な取材で書かれていると思います。ルポって、質の悪いのもたくさん読んだけど、これは著者の立ち位置、文章の質、本としての構成もよくて、読み込…

『アイスクリームの歴史物語』 ローラ・ワイス 訳:竹田 円

シリーズの他のも読んだけど、これはアイスクリームにまつわる雑学に留まらない読み物としてすごくいいし、翻訳もすごくいい。アイスクリーム大好きすぎる本なので、むしょうにアイスクリームが食べたくなってこれ読み終わるまでの間にアイス4本くらい食べて…

『愛に時間を』ハインライン

図書館で借りたら初版が来ました・・・デカイ、厚い。これとらのあなとかで買ったエロ同人なら許すけど、この重い装丁をえっちらおっちら持って帰ってきた私が読んだものは…幼女から育てたカントリー娘が成長していっしょに開拓に行く話とか、古きよきSFってか…

『壊れるもの』福澤徹三

そう、これ別にホラーじゃなくていいよな… ホラー部分じゃなくて、崩壊していく日常パートのほうが恐ろしい。40歳の会社員が家を買って、よくある程度の家族の不和、よくある会社の風景、よくある日常が、なんの悪いこともしていないのに、考えうる限り悪い…

『モレル谷の奇蹟』 ディーノ ブッツァーティ 著 中山 エツコ訳

作者が以前見た、聖女の祠にあった奉納画を思い出しながら描いたという絵に短い文章が添えられてる、という大真面目な体裁をクスクスする本。ヤマアラシ(かわいい)の悪魔が聖職者を誘惑してたり、聖女っぽいものがUFO軍団と戦ってたりする絵を、短くも堅苦…