2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『絞首台からのレポート』フチーク

ナチスに捕まったチェコの共産主義指導者の遺稿。獄中で密かに書かれて持ち出され戦後に各地から集められたそうです。著者は戦時中に処刑。 こういう文書って、読者のために主張があって、読者を愛して愛しまくってる。ただの読者なのに、読者でいるだけで、…

『人形の家』イプセン

超面白い。短いのにすごいや。女性解放、の四文字で済まされがちですが、それは一つのエピソードであって、何か魂の変質を書くためのネタに過ぎなかったです。しかも何人かの人間が心変わり、関係の変化を同時進行。そのわりに不在の人間が多いとか、技巧的…

[本]『タイタンの妖女』ヴォネガット

ユ〜モアな作風の最初のやつだそうです。ぶっ飛ばしてますが、普通に単語も話もSFしてました。こんなにおもろうてやがてかなしな読後なのは、もしかして日本語訳のせいじゃないかと思ってきましたが、その後の世界破滅とか人生破滅シリーズ見てるとそうでも…

[本]『美しい水死人』南米文学アンソロジー

世界のあり方から心が映し出されるんじゃなくて、南米文学は過程が逆。心のあり方、人のあり方から世界が変態、変身、していきます。典型的なのが、表題のマルケスの「美しい水死人」。これ南米文学以外に考えられない。あらすじは言っちゃうとそれまでよな…