[本]『美しい水死人』南米文学アンソロジー

世界のあり方から心が映し出されるんじゃなくて、南米文学は過程が逆。心のあり方、人のあり方から世界が変態、変身、していきます。典型的なのが、表題のマルケスの「美しい水死人」。これ南米文学以外に考えられない。あらすじは言っちゃうとそれまでよなんで秘密。タイトルがインパクト抜群なのも南米だー。後書き読んで納得しちゃったんですが、新大陸南米って19Cまで小説禁止だったそうな。近代小説、哲学に飢えたように群がる過剰な知識欲と、小説のように人間の理性が司る展開じゃなくて話術や伝説に似た奇怪な筋書きのルーツと、文体として発展しまくりの詩のようなレトリック。南米文学って面白いよねぇー と改めて思いました。出来が悪いと、作った妄想で鼻白みますが、出来よいとああこれが南米文学ってかんじだよ!っていう独特の感覚。面白いよねぇー
スペイン語読めたら、スペイン語圏南米文学も読めるんですよね。いいなー と思います。