『エンジェル・フライト』

異国で旅客死した人の遺体搬送に携わる業者のルポ。業者、遺族、それから著者と、業務ルポから遺族について考察していくので、面白い本でした。著者がエモーショナルだと、ルポの目線が読者と乖離したりすることあって知りたい事実に手が届かないストレスあるんですが、これは題材とうまくハマったかんじ。
考えてもみなかったことで、海外で日本人が死ぬと事件にならないものから大事件まで、各国の遺体搬出手続きをする専門業者によって日本に遺体が戻ってくるので、ここ最近で起きた事件の裏方を知ることにもなりました。ちょっと前に読んだ『アフガンとの約束』の団体ペシャワール会で亡くなった方のことが、それとは明言されないけれど知っていればわかる形で記実がありました。会の代表の痛恨の話を読んだ後に、遺体を迎える側の話を読んで辛い。