『神、人を食う』

この前読んだ介護民俗学の人。調査力が優秀過ぎて読んですごく面白かったので、今は介護の仕事やってると思うと、どうしても惜しく思ってしまう。1970年生まれだから、一番気力体力ある時期じゃん。そっちも面白かったけど、こういう深く掘り下げる調査やってほしいなと思います。
常識が転回する読み進む喜びがあるので、流れを紹介するのもなんだなと思うけど、ちょっとだけ。
イケニエの話がどうやって生まれたのかを解き明かす試みなんですが、発生の順序が逆なの。イケニエやってたのを今はやめたよっていうパターンの話を、それが現行の祭の起源神話であることから生まれた話で、どうしてイケニエがあったっていう発想にみんななったのかを考えてくんですね。典拠にするでなく、資料から考えるっていう行為がとてもよかったです。
素人なりに思うことで、災害による死が先にあって、そこに意味を与えたいという順序で、代償先払いの人柱の発想ができたのかもなあとも思いました。