『バナナの世界史』

最近バナナばっか食べてるので読んでみました。バナナについてなんでこんなにも無知だったんだろうと思い知る一冊。
政治的で人工的な食べ物なんですよ。
バナナが安く食べられてきたっていうのは、ものすごい大規模栽培と生産地の凄まじい搾取で支えられた歴史があり、鉄道会社と果物会社が19世紀からアメリカ政府と一体になってバナナの供給地として南米を暗躍し、現在も続く政治的混乱の主要な原因になってるという社会的な側面だけでなく、種のない美味しいバナナをどうやって交配して品種改良するのかっていうバナナの生物学の面白さと、そもそもなんで品種改良しなくちゃいけないのかといえば、今食べてるバナナは大規模栽培に適したバナナ2代目で、大規模栽培された1代目は病気で絶滅!2代目もそろそろ絶滅するんじゃないっていう。絶滅ですよあなた。その原因も因果応報みたいな凄まじいことになってる。
ちなみに、1代目の戦前食べられていたバナナは、今のバナナみたいに皮も茶色くならないし、美味しかったそうです。
生物学的な側面も、人間社会の要請と密接に関係するので切っても切り離せない。単なる雑学本じゃない面白い本でした。

有機栽培バナナなんてスーパーにあると環境にやさしいように思うけど、バナナの病原菌が無い土地を新たに切り開かないと有機栽培なんてできないから、農薬使うバナナより環境に悪いのかもしれないし、難しい果物なのだ。