4DX パシフィック・リム。4DXと『素晴らしき新世界』

4DX映画館ができたよワーイ 上映一作目観てきました。パシフィックリム自体は何度も観ていますが、4DXのテストランかと思うほど、フル機能を堪能できる作品でした。
映画に合わせて…
吹き抜ける風が、さわやかで気持ちいい。
結構激しいライド座席に、水霧プシャー!
地味な機能で、俯瞰視点やあおりで座席がゆーっくり微妙に動くとフワッと体が持ち上がる感覚。
鼻詰まってたんで匂いはよくわかりませんでした。
ただ、劇場でのこういった効果と、映像から受け取る感覚のズレは個人差がありそうです。宇宙空間でピシュンピシュン飛ぶ弾に、顔の横に空気弾受けるのは楽しいけど臨場感とはちょっと違うし、パシフィックリムでも人間が殴られてるシーンで座席が振動するのは別にいらないかなーと私は感じてました。画面と効果がハマったときは、本当に自然な体感できます。
パシフィックリムは巨大ロボのアクションにタメがあって、他の映画よりもゆったりしたテンポなので、構えてー衝撃!っていう体験がとてもよかったです。

3D映画を初めて観たときにも思ったんですが、もう映画じゃない。想像する必要は何も無く、実体験です。デモ映像での動作で館内が談笑に包まれていたのは、初体験の新しさを知らない人間同士でも無意識に共有したかったんだと思います。
これだけガッコンガッコン2時間揺さぶられて、水かけられて2400円は安い。でも、映画を見るときの想像力や、自分の感想が生まれる余地は少ない。観賞するっていう頭にならない。これから、アトラクションをするために作られる映画作品も増えるんでしょう。良きにつけ悪しきにつけ。
でも、結構な激しい動きなので、客が入ってないと映画館がつぶれそうでドキドキもします…。
ヘリのシーンの振動や旋回、風の効果がよかったので、洋上で延々ヘリが戦う映画があればいいなあと思います。4DXじゃないとたぶんつまんない。乗り物系に相性がいいので同時期の上映でマッドマックスは超面白そう。でも、揺さぶられる度に脳細胞が破壊されて、出てきたときにはバカになってそうです。



それから、思い出したのが『素晴らしき新世界』の低階層人種向けの娯楽の立体映画。3D映画観た時よりまんま4DXだよ!用途も!
↓は劣等人種につきあって「触感映画」を観に行く下りの引用です。

場内の照明が落ちた真っ赤に輝く文字が、暗闇の中でまるで自分で自分を支えているかのようにしっかりと浮かび上がった。”『ヘリコプターでの三週間』。オール・スーパー合唱つき。合成音声による台詞、カラー、立体・触感映画。芳香オルガンによる伴奏つき”

映画の筋はひどく単純だった。<中略>やがて一連の活劇があり、空中でのアクロバティックなアクションが展開され<中略>映画はハッピーエンドでうまくまとまる。
p239~241『すばらしい新世界オルダス・ハクスリー 黒原敏行訳

映画の内容はちょいエロシーン+アクション+ハッピーエンドです!低俗!下劣!

原書は1932年刊行なので、映画はトーキー普及して白黒の時代。未来が的中してて暗鬱。