[本]『すべての美しい馬』コーマック マッカーシー 黒原 敏行訳

文体が特徴的で、50年代アメリカというほぼ現代でカウボーイしてその100年前みたいなウェスタン冒険するにはっていう、すでに現実離れしてることを、会話のカギカッコ無し、時々句点がなくなる語りみたいな文体が何重にも現実から隔離してくれて、ものすごい没入感。これしかない、現実はこれしかないっていう濃密さがありました。電車乗り過ごしちゃった。
ウェスタンそのものの魅力の大自然や馬、自由、青年たちの若さの描写が素晴らしいし、それを思う存分に楽しめるように成立させる枠が文体含めてすごい。

読んだことあるコーマックマッカーシーが、流血大惨事大破壊大絶滅のブラッド・メリディアンしかなかったから、周到に設定された安全地帯や計画された秩序の回復があることに安心してました。そりゃベストセラーだ。映画もあるそうで、馬や大自然の映像が見たいなあ。