スポットライト 世紀のスクープ

gyaoアカデミー賞セール216円だったんで、いつか見るし当分高そうなんで今見ました。

評価がめちゃくちゃ高いけど、これ見る客層ってのが、メディアの勝利っていう言論によって為された社会正義を見たいわけで、まさにその欲求不満を解消してくれる題材なんでアクション映画なんかよりスカッと充実100万点オーバー不可避でしょ。今そういう不満がデカいんだわ。

でも、熱狂も高揚も極力抑えてほぼ無いといってよく、限りなく日常社会のテンションに落とし込んだ、ドキュメンタリーにも似た演出で、なんか超いいもの見ちゃったなっていう映画でした。金払ってこれ見るってすごい価値ある体験したと思っちゃった。感情は登場人物の個人のうちで表現されるもので、演出的な熱狂には遠い。最近の映画名作多すぎ。

いい映画だったなあ…。テーマに賛成できるっていうところも大きいんですが、それ以上に絵作りが雄弁で美しい。街のロングショットが多いなって感じまして、人間が遠景に馴染んで、被害者も加害者もそれを暴くものも街の住人、現在と過去、複数の立場が絡み合う複雑な印象そのままの街を描いた映画になってる。
光と影の映像が本当にキレイで、夜の街、昼の町、街が寝静まった早朝に灯る新聞社の緑のライトなんて涙が出てくるほど雄弁な映像。人物と物語の重層にメディアという行為の「スポットライト」が照り返す、物語上の美しさもすごい。

お仕事映画なんで、アメリカのオフィスのインテリの風景見てるのもよかったです。