『白痴』ドストエフスキー

いつから読んでたのか・・・途中、間一週間あけたら、登場人物の名前がサッパリわからなくなっていたりしました。ロシア人名前難しいデース。

キャラが超立ってて、言うことがいちいちものすごく面白かったです。打ち切りマンガみたいな物凄いオチとかも、フザケンナコラーとか思う前に、思いいれてたキャラたちの最期なんで、なんかしんみりきてしまいました。


一本の筋書きを紡ぐのに、多声で語り、時には作者も語り。純然たる作者視点での解説がところどころに挟まれてるんだけど、作者の筋書き通りの舞台のお人形さんとは思えないキャラたちでした。理想の様々な顔、人間の様々な顔、悪の様々な顔、混沌としながら、それ自体の強烈な属性は失われずに一人が持つ多くの顔でした。且つ、悪い人間もいれば、よい人間も書かれているので、キャラの掘り下げ云々じゃなくて、時と場合によってコロコロ態度変わっちゃうのが当たり前且つ仕方ない、人間の時間の流れ、タイミングとか、そういうのひっくるめた運命が、同情を持って書かれてた気がしました。時間と、運命の軋みとも言うべき、集団や個人の感情を追体験してくんで、情報の蓄積するのがイントレスティングでしょうがなかったので、こういうのが長編でしか成立しない話なんだなー、と思います。超劇的。悲劇的な美しさのない、大量の滑稽な破滅は悲しいばっかりです。でも、破滅には美しさがあるこの矛盾。ラストの物凄いオチまで、読めてよかったなー。