『偉大なる王(ワン)』バイコフ

なんだか野生がの血が騒ぐので、名作動物文学週間。1900年代初頭満州のエキゾチシズム満開をロシア将校が書いてるので、時々なんとなーく間違ってる気もしなくもないんだけど、とてもロマンチックでした。
大自然の「王」として宿命付けられた虎と、先住の韓国人、中国人の狩人たちの気高さ、大森林の住人に受け継がれてきた野生の誇りは、ロシア人に開発されて切り開かれていく森とともにその伝説を閉じるのでした。ロマン。亡命ロシア人が書いてるんだから、それはもう郷愁。
読むとむしょうに、肉食がしたくなる本です。チキン買って帰ってきちゃったですよ。中公の新訳で読んだのですが、ちょっと訳が書きなれてないかんじ。そこがまた素朴でいいのかも。
出版当時に訳された、長谷川訳のほうも読んでみたいです。