『パパは楽しい躁鬱病』北 杜夫, 斎藤 由香

薄いのでサクっと。躁鬱病の作家として有名な北杜夫と娘の対談。晩年だし和やかに編集されてますが、実態は想像がつくだけにちょくちょく嫌な気分はありました。躁鬱病の普遍性に諦念。この躁状態の明るい軽薄で大威張りキチガイ無罪のかんじよっくわかるう〜
超ムカつくアグレッシブおっさん無責任で、その最たるものが「でちゅ」って赤ちゃん言葉になっちゃうエピソード。

http://natalie.mu/comic/news/218639

罪の存在には他人が必要なのよ。うつ病のときは大人っていうかそれを深く恥じ入っちゃう。こういうめんどうくささ、まことに人間らしい人間といえばそんなかんじもある。私は無機物になりたい。赦し。救いそんなワードがグルグルしてきた

『どくとるマンボウ航海記』や『船乗りクプクプの冒険』の楽しいエンタメから、『谷間にて』『楡家の人々』…好きとか嫌いとか以前のファーストコンタクト文学でした。+で遠藤周作も。
昭和の作家が大変にヒドイ私生活なのは、そりゃわかってるけど、ひでえなあこれ。遠藤周作の家と阿川弘之の家のほうが大変だぞって言われてたら、遠藤周作の息子は北の家と阿川の家の方が大変だって言われてて、阿川の家は、北と遠藤の家のほうが(略
っていう子ども同士の話は、マジだろうなあ。
でも、冒頭の結婚して娘が4歳くらいまでの話って、普遍的にどこにでもいる若い父母と小さな子供でそりゃあ幸せそうで。大人も子供も、ほんと楽しかったなあって人生でも一瞬なんだなあっていうことも思いました。