『リボンときつねとゴムまりと』村山壽子 村山知義

頂き物。その節はありがとうございました。感想をお伝えせずにいましてすみませんでした。

で、
「三匹の小熊さん」展に行ってきました。渋谷駅からちょっと歩くとあんな高級住宅街になるなんて知らなんだ。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-1450.html#more
私は、プロレタリアで赤色演劇とかやってた村山知義しか知らなかったんだけど、アレっなんかこの紙芝居読んだことあんぞ!このジャガイモがかわいそうな目にあう紙芝居読み聞かせていたたまれない気持ちになったことあんぞ!
と、メジャー(?)な紙芝居だったり、晩年は児童文学も結構仕事してたみたいです。しかも、主義活動やってるときも児童文学やってるって知らなかった。なんだこのエネルギー。

で、
逮捕される直前まで仕事やってたアニメーションが見られるっていうんで行ってきました。
技法としてすんばらしいというわけではなく、センスがすごい。→→→っていう、横移動の絵巻物の単調な動きが基本なんですが、背景に立体感があったり、奥から手前に動くっていうアニメーションの動きそのものの面白さで魅せるとこあったり、長回しのカットと、短いカットで割るとか、手法に対して恣意的というか、なんかすごく演出の意図を感じる作品でした。志村夏江とか扇動劇書いてただけじゃなかったんだー
変な詩もすごくビジュアルよりの人なんで、二次元の絵だけじゃなくて3次元と時間と空間とかわりと意識してるってのがアニメでも試されてるかんじでした。現実の動きをトレースするっていうライブアクションの対極にある、デフォルメされまくったアニメ。

で、
絵はとにもかくにも、話はいつもの村山壽子でした。筋がスコーンと飛んでセンスと感情で話が進むんで、デフォルメされた表現と相乗で、面白くないわけがない。

三匹の小熊さん展では、児童文学にのみスポットを当てた展示でした。好々爺に思えてくるから不思議。
村山知義の無軌道な行動で壽子がひどい目にあって破局に進む『白夜』っていう戯曲と、表題の作品中の調子のいいきつねに入り浸られて困って美しさをどんどん失うりぼんさんが壽子とかぶったり、児童文学にも作者っているんだよなぁと思ったのでした。ちなみにりぼんさんには、助けが現れ、友ができ、きつねに復讐できます。児童文学だからね。白夜は破局します。ドラマだからね。