2009-05-05から1日間の記事一覧

『モレルの発明』カサーレス 清水徹 牛島信明訳

小説の構造をした小説の見本みたいな本。解かざるを得ない虚構で、出来がいいミステリの高級版みたいなの。

『狂気と王権』井上章一

井上章一は面白いといつか聞いたことがあったので。出来はたぶんほかの代表作より悪そうだけど、確かに面白かったです。精神病と天皇についての考察で、加害者を狂人とする政治とか、精神病ならしょーがないとかそういう世論とかについて散文。

『箱舟さくら丸』安部公房

船つながりでなんとなく買ってしまいましたが、質が低い。書き下ろし純文学!って書いてなければ駄作。っていうか、そういう時代の商品なのだと思います。

『虚構船団』筒井 康隆

時間と余裕があるとき向け。イタチ萌と、文房具フェティッシュと、筒井フェチは楽しいと思います。

『メロンパンの真実』東嶋 和子

紙の無駄。

ホビット―ゆきてかえりし物語 [第四版・注釈版]  トールキン

瀬田訳より迷訳があるなんて。

『現代殺人の解剖』コリンウィルソン 山本史郎訳

題名は物騒ですが、なんか実はうつ病の人向け快癒パンフレットの趣。というか、病んでく過程がなるほーどなーと納得してしまう私が、実はかなり危なかったのかもしれませんでした。

『茶話』薄田泣菫

オチで面白いのではなく、読む前からクスクスしてしまうような笑い。

『巨怪伝』佐野眞一

著者の感傷的なまとめがたまに鼻につくけど、事実は超面白かったです。

『総員起シ』佐野眞一

ノンフィクション。潜水艦事故の引き上げ時の様子とか、事実っぽいことだけの組み合わせで感傷的な読み物になるのがたまらんです。

『死の棘』島尾敏夫

なんかもうこれを読み切ってしまったらこのさきどんな本にも耐えられる気がしてきました。

『チルドレン』伊坂幸太郎

ラジカルロジカルルルルルル。原因の全ては、私が暗くて不合理なことにあるのですが、ロジックと明るい未来志向で行われる犯罪は楽しく読めませんでした。