2014-04-06から1日間の記事一覧

『アジアの岸辺』トマス・M.ディッシュ 浅倉 久志 訳

小説の技法っぽいのを駆使した短編集。『歌の翼』みたいにSFよりもこれも文学寄り。確かな筆なので、すんごい突飛なオチとか、SFの飛躍も、味付け程度でそれ以上に小説が面白い。世界を疑って変革する主人公じゃなくて、自分の不確かさが根底にあって、主人…

『ヴィーナス・プラスX』シオドア スタージョン  大久保 譲 訳

ジェンダー+ユートピア+ディストピアのSF。思えばディストピアは結構読んだけど、作者がディストピアだと思ってるのかユートピアだと思ってるのが微妙にわからない線がよくあります。ユートピアを一生懸命説明すればするほど小説はつまんなくなり、ディス…