『星新一 一〇〇一話をつくった人』最相葉月

とても良い本でした。
なんかさー、気合入れて読もうとした、彩流社の「文芸時評」本が雑な編集で、いい本と、いい本っぽいだけで全然質の悪い本あるよなーとガッカリしたんで、こういうあらゆる方面で質の高い本があるってことはすばらしいことだと思うのでした。

ものを調べた結果を書くことが、読む価値あるものになってる。
この本は超大量の資料と、超境界的な資料によって成立してます。
星新一を巡って、医師の家系、森鴎外とか小金井きみ子とか明治から連なる文学者の系譜や、戦前のエリート教育、父のアメリカ進出、政治、満州、没落した戦後、会社整理、作家という職能と文壇という業界について、そしてSFというジャンルの黎明と興亡、。
イクラスな階級の没落者の残像でもあり、勿論作家論であり。

この本の最後に語られるのは、    ・・・。以前の著者の本に比べて、主張が少ない気がしますが、構成が雄弁。
この本に書いてあることの一部しか、理解できてないですが、すげー面白いよーすごい本だー