『ヘルター・スケルター』岡崎京子

これ以外の岡崎京子のマンガは、なんか途中でどうでもよくなってきてしまって最後まで読んだことなかったんですが、これは最後まで読んでしまいました。
夢の中へ♪夢の中へ♪ みたいな。マスコミで大成功して誰にでも顔を知られたトップモデルが、虚栄から転がり落ちて、夢の中の存在へ。モデルが壊れていく(心身ともに、イメージとして飽きられてくとともに、)と、夢モノローグと現実枠のコマが混濁してくるので、読み進むにつれて、まさしく化かされたような気分になる、面白い漫画でした。話は、整形トップモデルの転落という一言に尽きるんだけど、「女の子」を巡る古今東西のお話という虚構、女の子による女の子のためのお話、お話なんで全ての登場人物が曖昧模糊としているようにも思うのでした。強烈な設定あるんだけど、それもまたモデルみたいな。男が全く実体を持たないのは、女の子の話の中の男たちだったからなのかなぁとか。
でも、マンガって面白いなー と思うマンガなのでした。