『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー

長男、次男、三男、三兄弟といえばダンゴとふりたくなるけれど、これからのトレンドは薄餅がくるね。だってロシアだからね!だって戦前の米川正夫訳だからね!(今はやってる新訳では、なんかジャストなロシアの葬式饅頭を説明した言葉らしい。)薄い餅ってなんだろう、と混乱しつつお送りします。

はやってるんで、図書館で唯一残ってた岩波版借りました。名著くらい買えよという話ですが、買うと積みそうなので借りました。あんまりどうでもよくないんですが、1冊目は書き込みに線引きに酷使極まってる本の体裁も危うい本でしたが、4巻目がすごくきれいでした。最後まで読めよう。ギャグだから。
ギャグは言いすぎだけど、読んだら出家とか、読んだら即死とか、読んだら生まれ変わってしまうわけでもなかったです。名前だけは超すごいので読む気がまったくなかったのですが、面白かったです。面白いか面白くないかでいえば、超面白い。すごくたくさん研究とかあるんだろうし、すごくたくさん考える箇所もあるんだろうけど、何より読んでてやたら面白い。長いことが面白い。
長いんだけど、話手がたくさん登場するという構造なんで全然飽きないのでした。こういう構成はもしかして、すごく読み易いのではないか。読む快楽に浸りまくりですよ。ひとつひとつの独立した物語でもありますが、あくまでも描かれるのは話手なので、ウソついてみたり適当だったり、あんただけには話すよ、だったり、ひとつの小説の中の登場人物を支えるエピソードとしてもとても魅力的なのです。ついでに、この小説も、誰かが書いてるよ設定だったりとか、話の話の話の話の・・・・文章でしか表現し得ないと思うのでした。どんな本なのか全く知らない状態で読めたのは、幸せでした。これは面白い鉄板なので、生きてるうちにあともう一回くらいは読みそう。