『中谷宇吉郎集1』中谷宇吉郎

中谷宇吉郎随筆集を借りるはずが、間違えてしまいました。先生をめぐる話と題されているとおり、師の寺田虎彦の思い出話。同じエピソードを何度も、何回も長年にわたって書いて1冊。でも、エピソードがひとつでも、語るほうが年くっていって、立場も掲載媒体も変わってくんで、不思議にそれぞれ印象が微妙に違ってました。それにしても、昔の科学者のスーパーっぷり。夏目漱石の弟子だし、趣味でチェロやるし、教え子とも夜中まで語り合うし、大学で闘争してるし、何ヶ国語も読めるし書けるし、マンガの登場人物でもいないよ。一人の人間に、そんなにたくさんの面があっても、印象はバラバラになったりしないものなんだなーと思いました。