『時砂の王』小川一水

あえて卑近な言い方をすれば、またツンデレ女王。オーノー。好きな人は買いだね。
なんでか知りませんが、結構変わった設定なのに不思議なほど、ステレオタイプの同じような人物像になるこの不思議。少し不思議。ギミックに重きを置かれてるSFならいいんだけども、人のラブがギミックになってると、こういう登場人物だとちょっと喰い足りない気もしました。最近ヘビーで狂った人間ばかりの小説ばっかり読んでたせいで、あっさり味付けが薄味に感じてしまっただけかも。
時間SFは、よくわかんないので、いつもなんだかごまかされたように感じてしまいます。でも、時間を書くってことは、人の認識を書くってことでもあるんだろうなーと、誰かの認識すげーなー、と適当に納得してます。最近読み返して斬新だった時間ＳＦは、古橋秀之先生のデモンベインというエロゲのノベライズ。アホだ！アホなのに時間ＳＦだから納得できちゃう！　古橋ラノベの鉄板『ある日爆弾が落ちてきて』も素敵な時間ＳＦ。時間ＳＦってやっぱり、人の夢というか認識というか、枠を書いているようで中身に迫れる不思議なジャンルだと思います。