『エンブリヲ』小川幸辰

虫嫌いは悶絶するマンガ。描かれた虫で、紙面が埋まってるので触るのもいやなんじゃなかろうか。虫の進化と、人間の生活が決定的に決裂したとき、人間が理解できない虫が超恐い。ナウシカなんかとは違うロマンです。死のカタルシス的な無垢な生物系ロマンじゃなくて、そっちのロマンよりも、虫が虫として捕食し人間はただ不可解さのうちに死んでいくしかない意思疎通不能な暴力とホラーなグロい絵にロマン。虫嫌いは絶対に読まないほうがいいけど、濃密な物語でした。