『果て無き渇望』増田晶文

最近ふと手にとったら予想外に面白すぎたのが「果て無き渇望」というボディビルダーへのインタビューで構成されたノンフィクション。作者がスポーツライターだけあってサクサク読めるんだけど、内容が重い。
人生で勝負をかけないといけない時期に、趣味に全力を投じないとコンテストで勝てない、とか、まわりには理解されないのにここまでしてやる価値はあるのか、とか、アマチュアで収入になるわけではないのに家族、環境、全てを犠牲にしないと成り立たないとか、時間が必要なので人間関係も限定されてくる・・・とか、狭いけれど深い世界だと思う・・・とか、仕事と家族と以外に生きがいがあって、しかも生きがいが重めなジャンルな人に共通の悩みかもー
その生きがいにたどり着いた経緯も興味深い。
それはさておき、筋肉を作るには何年もかかるとかいろいろと面白かったです。筋肉を増やせる量には限りがあるので、10年計画とかじゃないとムキムキっていう外観にはなれないんだって。

ちなみに、続けた人、リタイアした人、目的のために手段を選ばなかった人、いろいろ出てきて、私は生活を営むためにリタイアした人の気持ちが痛いほどわかり、まだ高みを目指す人の気持ちに羨望するような感覚を抱きました。
なんか、いろいろ重ね合わせて読んでしまうのでした。