伊藤計劃『虐殺器官』『ハーモニー』

2冊が対になるようなSF。私はデストピアものが大好きなんだけど、それってつまり、主人公以外のみんなは幸せなので、幸せがあふれてる世界なのさ!あー幸せっていいなー とか思いながら読んで、反逆する主人公によって平和に迫るクライシス、しかし結局平和が維持されるバッドエンドがたまらないのでした。バッドなのに幸せだなんてー うまいもの寄せ盛りみたいな。
そんなことはさておき
今の時代の人が書いた本をリアルタイムで読むっていいなぁと思いました。語りのスタイルが、膨大なコト、モノなんだけど、同世代人なんで共通の言語として機能してて、伝達内容が過剰でよいです。雑学寄せ集めの小説ってオタクへの同属嫌悪があるんだけど、目指すことが、知らないこと考えたこともないようなことを語ろうとしてて、とっても面白かったです。バッドエンドっていいよな。
著者が逝去されてるのが本当に惜しまれます。もっと読みたかった。