『Hyper Hybrid organization』高畑京一郎

完結したら手出そうと思ってたんですが、古本がまとまって安かったんでつい読んでしまいました。
悪の組織VSヒーローの戦闘中、偶然の事故でヒーローの手にかかり死んでしまった恋人のため、悪の組織に身を投じてヒーローに復讐する大学生の話。未完。
ちなみに、仮面ライダーをオマージュしてるので、歴代ライダーの役名とキャラクターがそれとなくリンクしてます。

・平静な感想
電撃文庫って間口が広いんですね。でも、私の読んだことある電撃って、古橋秀之くらいだから・・・そこはかとなく古臭く、1pにみっちり字が詰まっているやつ。
組織とか背景描写が最低限なかんじなのはラノベっぽいけど、淡々事件が起きて地味で堅実。手堅いのは嫌いじゃないので、技術は申し分ないけど、何せ題材が題材なのでこれ単体で評価するのは難しいです。

だって↓

・平静ではいられない感想
「ベッドの上の速水は、萌黄色の浴衣を着せられており、その額には、まだ湿り気の残る前髪がひと房、はらりと垂れていた。」

普段が三つ揃いのスーツで、元バーテンで美味しい茶碗蒸しが作れて、頭脳派ヤクザの極北って、どんだけ速水さんが好きなんだよ作者。描写が完全に恋する乙女目線だよ。
ただでさえ巻数少ないのに、明らかにいらねぇだろこの一行。
と思いつつも速水さん好きだと、一旦休憩入れないとニヤニヤ悶絶するのでした。電車の中で読めない。
昔の仮面ライダー10人の中でガクッと知名度が無いと思ってた仮面ライダーXこと神敬介こと、役者の速水氏って、どこで読んだか忘れましたがライダーの後は昼ドラの帝王ってかマダムキラーな役者なんでカッコイイんだよな!インテリヤクザにしたい気持ちがよくわかるよ!ばか!もっと書いて!
仮面ライダーの中では1号より2号よりV3より、Xライダーが一番好きという奇特な御仁は超出来のよい二次創作でカッコイイ速水さんことXライダーこと敬介さんが読めるので、老後の楽しみにとっておくレベル。
役だけでなく、役者本人のイメージもミックスされてるようなキャラクター造形なんで、よく考えたら不思議なもんです。書かれてないけど、Xライダー相当にたぶん親父と確執あるんだろうなーとか。
他のライダーも9人も、元のキャラどおりだったり裏かいたりいい味出してるので、10人ライダーまで好きなキャラがいたらたまらないと思います。

ただし、悪人。
で、ヤクザかもよ。
怪人もライダーもヤクザ構成員だと刺青入ってたり、趣味が悪くてすごくよかったです。
悪の組織を10人ライダーが確執、裏切、雌伏・・・バッドエンド臭漂う行く末とか、悪そうな雰囲気がオタクにはたまらんので、老後の楽しみにとっておくとよいと思います。


そう、老後の楽しみに。
なんせ続刊が9年出てないので、今手を出すと、私のように先は読みたし、本編にいたっては10年進捗無しな、痛いだけの状況におちいるよー
はやまった。
日記の分量からわかるように、オタクとしては饒舌に語りたいんだけど、小説としてはアラも特記事項もなくて書くことないので、この本は仮面ライダーをオタクで好きな人以外が読んで面白いのか?と思います。
あっ だから電撃文庫か。