『白い闇』ジョゼ サラマーゴ

たとえて言うなら司馬遼太郎みたいな作者一人称というか、思想ありきの独特な文体のシリアスな寓話。会話文にカッコが無いとか、日本語から見ると特異ですが、原語的にはどのくらい飛躍があるのかはわからないところ。
ある日、国家の全員が失明する病にかかるっていう社会についての寓話で、深刻な話なんだけど、これも司馬遼太郎みたいに著者の考えが、読者が考えるより先に話されるからスイスイ読めました。